第2話 王都そして旅立ち


【鋼と炭鉱の街 王都エフヤシツ】

「ここが王都なのかー!にぎやかで楽しそうなのだー!!」

出発してから1時間ほどでついた。先ほどまでとは打って変わって機械じみた風景だ。

「本当...にぎやかだね...」

「そーだねー。アライさんも楽しそうでなによりだよー」

本当にいろんな声が聞こえる

『あんたたち大丈夫?良かったら乗せていこうか?』

『ほ、ほんとですか。おれっちたすかります。』

『ほんとうでありますか!?たすかるであります!!自分たちの家は住み心地はいいんでありますが、少々交通が不便でありまして...』

『ほら!アイドルとして復活するためにもお金を稼がなくちゃいけないんだから、働いた働いた!』

『え~もう少し休憩したっていいじゃんかよー』

『いいわけないでしょ!ったく..あっ、もう!あなたも寝ていないで体を動かしなさい!』

『えー。だってぇー昨日もあんまり寝れてないんだもーん』

『隠れ身の術~ボンッ』

『おおぉ~どうやってやりましたの?』

『へへっ。自分忍者っすから~』

ほ、本当にいろいろ聞こえる...

「とりあえず、この街のギルドにいくのだー!」

「そうだねー。はなしはそれからかねー」

「あ、ちょっとまって...」

あぶない。おいていかれるところだった。


―ギルド前―

「じゃああけますよー」

「なのだー!」

「おじゃまします。」

「いらっしゃいませー」

そこにいたのは、パーティと思われるいくつかのグループと、受付嬢だけだった。あ、返事くれたのもこの子だね。

「こんにちはー。魔王討伐の依頼をみて来ました-。フェネックとアライグマとキタキツネです。」

「はい。依頼の受領ですね。わたしはここのギルドの受付をしています、キンシコウと申します。以後お見知りおきを。」

「よろしくなのだー!」

「...よろしく」

「えっと、皆さんのレベルは...はい。大丈夫ですね。では今回の依頼の説明をします。今回の依頼は、王都から東に行ったところにある【魚と水の源 サンアワン川】の上流、【岩と針と溶岩の城 ニンハ山】にある魔王城へ魔王を討伐し、囚われた人々を解放してほしいのです。報酬は7,800ダイヤ。ゴールドにして159,500の価値があります。」

「おおー。結構な額だねー。てことは、魔王もそれなりに強いのかー。」

「大変そうなのだー。でも!アライさんとフェネック、そしてキタキツネもいるのだ!無敵の布陣なのだ!!」

なんか、想像していたものより結構大変そうだなー。

「ではこちらに、了承のサインをお願いします。」

「はいよー。」

「はい。これで契約完了です。なにかご不明な点などございましたらいつでもお声掛けしてくださいね。では失礼します。」

「ありがとうなのだー!」

そういって、依頼の受付が完了した。

「ではー。これからどうしますかねー」

「アライさんはお腹が空いたのだー」

「ぼくもおなかすいた...」

「じゃあ、どこかでお昼ご飯にしますかねー」

この世界はじゃぱりまんは無く、かわりにりょうり?っていうのがあるらしい。どんなのだろう...


―レンストラン―

ここが、そのりょうりというのが食べられる場所らしい...

「さーて、何食べますかねー。アライさんはどうすんのさー?」

「アライさんはなー、う~んと...オムライスがいいのだ!」

「そうかそうかー。わたしはー、まあサンドウィッチでいいかなー。キタキツネはー?」

「えっと...ボクは...」

どれがいいといわれても、どんなものかわからないのだ。頼みようがない...

「あー、そうっかー。料理を知らなかったから、どんなものかわかんないよねー。うーんと...どうしよっかー...」

「そうなのだ!ハンバーグがいいと思うのだ!おいしいのだ!!」

「それ、アライさんが食べたいだけなんじゃないのー?」

「ぐぬぬ、そ、そんなこと、ないのだー!」

はんばーぐとはなんだろうか...

「あ、ボク、そのはんばーぐっていうのでいいよ?」

「おお、そうか!やっぱり食べたかったのか!」

いや、食べたかったわけではないが...

「アライさんに押し切られて感もあるけどー、まーいいんじゃないかなー。じゃー店員さーん。オムライスとサンドウィッチとハンバーグくださーい。」

『はーい。かしこまりましたー!』

さてどんなものがでてくるのやら...

―10分後―

「それでさー。アライさん、噴火した山にびっくりしてー、山から落ちたんだってさー」

「ははは...意外とドジなんだね」

「その話はやめるのだー!!」

『お待たせいたしました。こちら、オムライスとサンドウィッチになります。』

「やっと来たのだー!おなか空いたのだ!!」

「わーい。きたきたー」

『こちらハンバーグになります。』

「......」

なんだろう、この黒い物体は...周りには彩りの野菜があるのはわかるが、この黒くて丸い物体はなんだろう...しかも変な汁が流れ出ていて...ん?でも...

「なんか、いい匂いがする...」

「ふふーん。そうなのだ!肉汁の匂いなのだ。おいしそうなのだ~」

「本当ー。おいしそーだよねー」

「...ごくり。」

お、おいし、そう...なのかな?で、でも、もう我慢できない...

「それじゃー料理もそろったことだし」

「いただきますなのだー!」

「い、いただきます!」

「いただきます。ん~このサンドウィッチ、レタスシャキシャキしてておいしー」

「お、オムライスも卵ふわとろで、甘いチキンライスもおいしいのだー!!」

「......」

「んーあれー?食べないのー?」

「そうしたのだー?おなか空いてないのかー?」

「あ、えっと、これ、どうやって食べるの?」

「あーそっかー、ナイフとフォークの使い方知らないのかー。えっとね、ナイフをこっちに持って、フォークがこっち、それでこう切る。そうそう、そんな感じだよー。はい、食べてみなー」

パクっ。

「ん!!!?お、!お、おいしい!!!!!」

おいしい!なにこれ!すごい!!中から熱々のにくじる?が出てきて、それで、しょっぱくていい歯ごたえがあって、お、おいしい!!

「おいしのか!それはなによりなのだ!」

「ん~。おいしそうにご飯食べてる女の子はかわいいねぇ~」

「ガツガツガツガツモグモグモグモグ!!!!おいしい!!」

「そんなに急がなくても料理はにげないよーハハハ」

「あ、アライさんにも一口...」

「アライさん、こんなに一生懸命食べてるのに、そっから一口もらおうなんて、酷いなー」

「ううっ、で、でも、アライさんも食べたいのだ...あ!じゃあアライさんのも一口あげるのだ!交換っこなのだ!」

「!ひ、一口くれるの!!」

「どうぞなのだ!」

「パクッ。おいしい!!黄色くてふわっとしてるのが甘くてとろとろで、中の赤いやつもおいしい!!ボクのも一口あげる。」

「わーいなのだ!あーん。おいしいのだー!!」

「やー。それはよかったねーアライさん。あ、キタキツネ私のも一口食べる?」

「い、いただきます!」

こうして、昼食を食べ終えたボクたちはレストランを後にした。


―大通り―

「それで、これからどうするの?」

「それはもう!魔王討伐にいくのだ!」

「そーだねー。そろそろ出発しないと、夜になっちゃうからねー」

「それじゃあ、いくのだー!」

「「おー!」」

魔王討伐に向けて旅立ったボクたちを待ち受けているものとはいったい。

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