正直、言わせてもらえば同じ系統の話を何度も何度も読んでいるのですが。
その経験を基に考察させてもらうと、この手の作品には感想が二種類あるのです。
「テンプレ乙」あるいは「泣いた」
この作品は文句なしに後者でしょう。
その差異はいったいどこからくるのでしょう?
キャラクターの描き方と作中演出、それに尽きると思います。
主人公は「花畑の男性」のどこが好きだったのか?
彼と話し合う内にどんな気持ちを抱いたのか?
そして平凡でありきたりでも人生は美しいと感じさせることができたのか?
突き詰めれば王道のテンプレだろうと作者さまの力量次第でいくらでも魅力的な作品に仕上げられるという事なのです。ファンタジーの始祖トールキン先生もそう主張しているのです。
お転婆娘と天真爛漫な青年がどれほど幸福であったのか、どんなにお互いを大切に思っていたのか、短編でありながらもそれがしっかりと伝わってくる出来栄えです。本当に細かい職人レベルの工夫と技量がなければ、そんなことは出来っこありません。
それはテンプレを嫌い過ぎて面白さが不在になってしまったり、作品が自己満足の結晶になってしまう事よりは遥かに素晴らしいことなのです。
そんなわけで、泣ける作品をお探しであれば、是非!