科学の華
ジャパディ
プロローグ
シスター、ヴィーナスはBLUE LIMBOの浜で佇んでいた。BLUE LIMBOとはこの星の名であり、彼女の立つ浜はフローズン・ビーチという名である。この星の環境は尚も悪く、海のある以外は砂で覆われており、人型の生命体も、彼女は幾人しか知らないのだ。
フローズン・ビーチ。どこまでも凍った海だ。波は高くうねったまま象られ、中空に放り出された飛沫は地面を知らぬうちに時を止められたようである。
ヴィーナスはそこで人を待っているのだ。彼女は神のお告げを受けて動く者だ。今朝の告げはなんとも奇妙であった。
神曰く、「最初に浜辺に来た者の云ふままにせよ。但し、命令しなかった場合はどのような手段をもっても命令させよ」
さて、かような生命体も無き星に、最初に来る者は限られていて、尚且つ人が来るまで何日も待たなければならないはずであったが、彼女の見たのは恐らく不確かな人間であったろう。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます