第2話 終わり逝く星のクドリャフカ

 今回の感想は、深海 映さんのSF小説「終わり逝く星のクドリャフカ」です。

 これは同人ゲーム「終わり逝く星のクドリャフカ」のノベライズです。



終わり逝く星のクドリャフカ(★★★)

https://kakuyomu.jp/works/1177354054881942690


●ストーリー

 荒廃した未来の地球。

 埃をかぶったアンドロイドを起動するところから物語が始まります。

 アンドロイドを起動した義手の男はアンドロイドをある場所にいる「人」のところへいざなおうとします。

 


●感想

 くどくなく、なおかつ言葉不足でなく綺麗にまとめています。

 ゲームをやったことがない私でも、物語に入り込めるようにストーリーを組み立てており、構成の巧みさが目を引きます。

 導入部からすっと物語世界へ入り込める文章力も素晴らしいです。

 とてもよくできたディストピアSFだったからかもしれません。

 切なさと希望が拡がっていく読後感を感じます。

 切ないだけで終わらないところがとてもよかったです。

 ロボットに情動回路と呼ばれる感情のような学習機能があるのが好きでした。

 完全オリジナルだとどのような作品を書くのかと思い、短編をいくつか読んだら面白かったです。

 いつかオリジナルの長編小説を読みたいです。



●気になったところ

 ロボットとアンドロイドという表記が入り乱れています。

 ロボット三原則がテーマなので、あえて混在させている意図でしたら、問題ないと思います。

 しかし、ロボットと書くのが適切かというと、後半、よりロボットに近いものが出てくるので、表記について悩ましいところです。


モップの茶飲み話

http://www004.upp.so-net.ne.jp/mop-pot/robot/robot_no1.htm


によりますと、(引用開始)


ロボットはかなり広い意味で使われています。人の形をしたものに限らず、自動で動作・作業する機械や装置。


アンドロイド androido は、「andro(人間)+ido(~に似たもの)」で、「人造人間」と訳されています。 アンドロイドは、外見が区別がつかないほど人間に似ているロボットのことです。


ロボットとサイボーグは科学用語で、アンドロイドはSF用語だそうです。(引用ここまで)


と区別されてます。

 プロローグはロボットとする必要性があったのかが読んでいる間、気になりました。

 アンドロイドと書いてもよかったのかも。


 ただゲームのノベライズなので、ゲームがロボットとアンドロイドについてそのような表現だったとしたらそのままにすべきです。

 ゲームをやっていないので、的外れだったらすみません。



7.宇宙犬クドリャフカ(修正済)



12.いつかの夏休み(脱字修正済)



16.星空とロボット(脱字修正済)

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