第9話友達


舞の家に優衣は行った。



舞は二人目の子供が出来て強くなったように見えた。



経済的には困らないだろう。



社長と結婚したんだから。



「優衣は、なかなか結婚出来ないよね。」   


「ドストライクに、聞いてくるよね?」



二人で高校の話をした。



「モテたよね優衣は。」


「今は缶ビールにジャージ姿だよ。」



「仕事大変?」 


「普通かな…。」 




   


「わたしには結婚は無理かな…。」 

 


「何で?結婚って良いよ。」



「わたし、ワガママだし自分の事しか考えられないしね。」



「妹さんも結婚したのにね。」 


「そうねぇ。」


妹は、妊娠。


優衣は、どうしたら良いかものかな?


仁が目覚めてくれたらな…。






毎日、仁に会いに行っている。



病院のベットで眠り続けている。



穏やかな顔をしている。



愛しい人


汚れを知らない。  



本当のわたしでも好きになってくれたかな?


泣きながら仁に話しかけている。




そんな時に優斗が病室に入って来た。



「何してんのよ!帰って!」


「そうカリカリするなよ。一応同僚のお見舞いだぜ。」



優斗は、じっと仁を見つめて


 

「残念だったな。」


と呟いた。




「毒牙に襲われてかわいそうに…。」


「毒牙ってわたしの事?」


 

「そうだよ。みんなあんたの毒牙で狂う。俺もその一人だ。」



毒牙か…。



「緑に中絶するように言おうかな…。」


「相変わらず人間のグズね。」



「じゃあ、お姉さん、俺と一晩付き合ってよ。」



「嫌よ。中絶なんてさせない。命を何だと思ってるの?」



「俺は利用出来るものは全て注ぎ込む。欲しい物は悪魔になっても手に入れる。」



そう優斗は、言い残して病室を出て行った。

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