第2話情事


「ねぇ、わたしたち終わりにしない?」



優衣は、ホテルのベットの中で言った。



「また、それか…。別に終わりも何も始まってもいないじゃないか。」



「わたし的にあなたのセックスに飽きてきたんだよね。」



優衣は、下着を身につけて服を着て冷蔵庫を開けた。



「本気か?」



「冗談だよ、あなたのセックス最高!」



「何だよドキッとさせるなよ。」



「ドキッとしたんだ?」


「あぁ…。」



お互いダメな大人だよねと優衣は、心の中で思った。



缶ビールを飲みながら空虚な気分になった。



マンションに帰って来た。


今は緑と二人で暮らしている



「ただいま~って誰もいないか…。」



優衣は、ハイヒールを脱いでジャージ姿になった。



缶ビールを冷蔵庫から出して飲んだ。



「また、朝帰り?」



「緑、いたんだ。」



「いるよ。休みなんだから。」 


「どうしたの?また彼氏と連絡取れないの?」



「うん…。あーんー!」



緑は、泣きながら優衣に抱きついた。



また、あいつ間接的に嫌がらせだな。



と優衣は、思っていた。



緑を落ち着かせてから優衣は、ヤツに電話をかけた。



「もしもし、あんたさ、わたしに当てつけのつもり?」



「朝からうるせーな!そっちが会ってくれないのに何で緑と会わなきゃならないんだよ!」



「ガキ!双子なんだから良いじゃないわたしだと思えば。」



「ガキは、緑だよ…。将来はどうとかこうとかうるせーんだよ。はっきり言って重いんだよ。」



「最低!」



と優衣は、言って電話を切った。






数秒してからヤツからの電話…。



重たいのはあんたも同じじゃない。



電話を取った。



「いきなり切るなよ!イライラするな!」



「わたしとあんたは、セフレなの分かってる?」



「分かってるけどさ…。」



「何?」



「俺の女になれよ。」



「イヤ!」



男なんてやりたい時だけ呼んでセックスしたらバイバイ。



優衣は、今でも昔、本気になった男が許せずにいた。



ほとんど病的なトラウマだ。



「何でだよ?」



「とにかく緑に連絡してセックスして将来を誓い合ったら相手してあげる。」



と言って優衣は、一方的に電話を切った。



缶ビールがぬるくなってまずい。



いつからこんなにひねくれたかは忘れた。



男なんて…最低でグズでマザコンでゴキブリ以下よ。



そういうゴキブリに限って叩いても死なない。



生命力と下半身動かす事になるとモチベーションが上がるようだ。



無能なゴキブリは自分を賢いと思っている。


女が本気になればイチコロで強力な殺虫剤で男を殺せる。



ジタバタして死ぬ様子を高みの見物してるくらいがちょうどいい。



















緑が、優衣に抱きついてきた。


「連絡きた?」


「うん、今日会おうって。」



肩の荷が降りた。



ゴキブリが猿に進化したなと優衣は思いゲラゲラ笑ってしまった。



「どうしたの?」


「いや、緑が可愛くて。」



生ぬるいビールを飲みきって自分の部屋に行き眠った。



昼間寝るって幸せ。



緑が出かける様子の音が聞こえたが睡魔に導かれた。





夕方目を覚ますとスマホに友達の片瀬舞から着信が数回履歴に残っていた。



舞か…と再び寝ようとすると舞から着信が入った。



「もしもし、優衣?起きてる?」


「死んでた。」


「また、朝帰り昼寝ね…。」


「うん、そんなところ。」


「今年は同窓会行く?」


「舞が行くならね。」



同窓会と忘年会をごちゃ混ぜにしたような飲み会だ。



「今年はパス。また出来ちゃった。」


「おめでとう。」


また、子供か…。


「ありがとう。」




子供か…。


舞と雑談してスマホを切った後に緑が帰って来た。



「緑、どうしたの?」



リビングで立って静止している。



振り返ると



「優衣!春が来たよ!結婚しようだって!」



「プロポーズ?されたの?」



「うん。」



「おめでとう。」



あの、ゴキブリ、何を考えてるんだ?わたしの言うとうりにするなんて…。



何か裏があるとは思ったがここは素直に喜んで祝ってあげよう。

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