ゴジラの目覚め(ハイパーネタバレ)
ある日、ゴジラは突然進化して、東京を目指しましたとさ。
めでたしめでたし。
そんなわけあるかぁ!(ちゃぶ台返し)
というコテコテの芸を見せたところで、『ゴジラの目覚め』です。
結論から直球でぶん投げると、『牧悟郎が何かをした』というのが有力な説ですね。根拠としては、
『最初の船は彼の持ち物』
『水蒸気爆発が起きたのはその付近』
『私は好きにした(略)という文章』
『ゴジラ研究の第一人者(たぶん)』
このため『ゴジラを目覚めさせた』のは『牧悟郎』ではないか、と推測できるわけです。事前に『ゴジラの存在』を知っていたというのも大きな理由です。
ですが、ここでちょっと待ったをかけましょう。
ゴジラの存在を知っていたのは、何も彼だけではありません。
そうです。
『アメリカ』もゴジラの存在を知っていたのです。
ここでゴジラ発見の経緯を整理してみましょう。
『カヨコ・アン・パタースン』の台詞から時系列を推測していくと、
『牧悟郎、ゴジラの存在を予言する(数年前)』
『アメリカ、ゴジラ発見(数年前?)』
『牧悟郎、アメリカでゴジラの研究(数年間?)』
『牧悟郎、アメリカでの研究成果を一部隠匿、日本に帰国(七日前)』
『牧悟郎、先日来より行方不明。船が確保される(当日)』
こんな感じです。
この展開には二通りの解釈が出来ます。
一つは『牧悟郎がゴジラを目覚めさせた』というストーリー。
研究成果を隠してから日本に帰国したことを考えると、『計画的犯行』であると考えられます。偶然ではなく、『彼の意思』でゴジラが目覚めさせたわけです。
もう一つは『アメリカがゴジラを目覚めさせた』というストーリー。
こちらの場合は計画的というより、予想外の事態と考えた方がしっくり来ますね。 アメリカが日本にゴジラを送り込む理由があれば話は別ですが、『日本に核を撃ち込むためにゴジラを移動させた』と考えるのは微妙でしょう。たぶん(汗)
ちなみに『アメリカうっかり説』の場合、『牧悟郎』は『ゴジラを止めるために行動したが、間に合わずに失敗してしまった』という可能性が考えられます。研究成果を隠したのも、『人類がゴジラに触れるのを阻止するため』という形になります。
さて、この二つの仮説を比べた場合、どちらの方がより真実に近いでしょうか?
単純に考えれば『前者』の方が真実味がありますね。
すなわち『牧悟郎黒幕説』です。
後者の場合ですと、船に残されていた『私は好きにした。君らも好きにしろ』という文章が微妙な存在になるからです。もし彼がゴジラを止めるために行動したのならば、この文章は『その経緯を説明したものでなくてはならない』と思います。
彼がわざと意味深な言葉を残して消えた。その事実が『ゴジラを目覚めさせた』のは『牧悟郎』である、と推測できる最大の理由です。
もしゴジラが自分の力でのみ行動をしていたのならば、『私は好きにした』という言葉を彼が残す理由がありません。偶然別の理由でその場所にいた、という可能性は除外してもいいでしょう。
『ゴジラの進化が異常である(想定外)』ということは作中できちんと指摘されていますので、外部的な刺激があったというのは、ほぼ確実だと推測できます。
『牧悟郎』は『ナニカ』をしたのです。
船にメッセージを残さなければならないほどの『ナニカ』を。
その結果、ゴジラは急速に進化を始めたというわけです。
もっとも、船に乗っていた人物が『牧悟郎』であるという根拠は示されていません。彼の協力者だったという可能性もあります。警察は正確な足取りを掴んでいるかもしれませんが、具体的な話はカットされていますね。
ただ『牧悟郎』という人物の生死は、この物語では重要ではないため、視聴者に預けられた結末の一つであると考えるべきかもしれません。
前回と合わせたまとめ。
『ゴジラは東京を目指していた』
『ゴジラを目覚めさせたのは牧悟郎である』
ここで話を切りまして。
次回は『牧悟郎の目的』というものを考えて見ましょう。
<第十三回 完>
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