断片……(一) 【因ノ果】
◇ 【因の果】 ◇
――意を
それ
思い掛けなく隣りの
――けれども、届くわけなどない。
土の
――断念。
観念し、結果を受容するのみか。
落胆し、視線を放り。
――はからずも此の大樹に
その者は、
――
――あれを使えば、『届くやもしれぬ』と。
そう思い立ち。ならばと、
――そのまま枝を構えて
――果たして、枝は土の境を越え、届くはずもないところへと届いてしまったのだ。
――しかし枝は、目当ての果を空振る。
その上、畏れ知れずの
――歯を食い縛り。玉の汗を落とし。眼から涙を流し続けながら。何度も、何度も、何度でも手を伸ばして、枝を一心に振るい続けた。
あぁ信じていたかった。
叶うなら、縋りたかった。
許されるなら、望みたかった。
誤りではないのだと、願いたかった。
全てが満たされる方法を、識りたかった。
自らを蔑ろにしたとしても、導きたかった。
何よりも、ただ。ただ、ただ救いたかった故に。
――彼ノ者に、教えてもらった故。
――その果には、
或いは命の
そうであっても、繰り返す他に無い。別れは告げてきた。未練はあれど後悔は無し。故に何度も、何度も、何度でも、
「――我、故にただ枝を振るうのみ」
それが最初で最期の言ノ葉となった。
その者は意を失うことなく。
あぁ終いには、存在が呪いに転じようとも。
――いつか、その手が果に届いてしまう刻。
果たして、その者が
――あぁタチガレや、絶ち彼や、立ち枯れや。
いと哀れなり。所詮、
【
故事【因の果】前文を翻訳して引用。
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