夢喰い

らうぶ

stage1

鋭い目覚まし時計の音で目が覚めた。

まだ寝ぼけている頭で、アラームを止めのっそりと起き上がり、時間を見た。

───何か、悪い夢を見ていた気がする。

………気のせいかな。

あくびを押し殺しながら、自分の部屋から出る。

人気の無いリビングで一人朝食を食べて、最近買った薄型携帯を触る。幼馴染みの神田明灯(これで、かんだあきほと読む)からのLINEを読み、簡単な身支度を済ませる。


もうすぐ着くよー(*^^*)

顔文字付きのそのLINEに慣れない手つきで『分かった』と打った。


ピンポン、と短くチャイムが鳴る。

はい、と返事をして外へ出ると明灯が笑顔で立っていた。

「おはよ!紀大」

明灯のいつもと変わらない態度を見て、今日の夢のことなんて忘れていた。

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