夢の話
サムサラ
予言者
「明日の午後、列車が脱軌し学校と隣の住宅街を壊す」
いつ言ったかはもう知らないこのことは都市伝説ほどの予言者がいってるだと。その予言者が言ってることはいままで一度も外れていない。
学校というのは俺が通っている学校だ、住宅街もちょうど俺が住んでいる。それを知れたのはごく一部の人だろう。でも俺は別に本人から聞いたわけじゃない、確かめるなら、その時まで待つしかない。
これを間近の軌道の人を教えるか、迷ったが、しないことにした。
明日を迎えた、ベッドから起きて、朝飯を食う。両親の部屋の前に行く、閉じっているドアに向かって。
「母さん、父さん。やっぱどこか安全なとこに行くほうがいいかな」
一応両親には知らせている。
「大丈夫、そんなこと、あるわけないだろう」
「けど、万が一としても……」
僕がちょっと心配でドアを開けたが、一見に部屋は人の姿が見当たらない。
「母さん?父さん」
呼びかけた途端、彼らを見つけた、部屋の端の机の下に両膝を抱えて座っている、びびっていたが、さっき話しているときはそんな風に聞こえなかった。
「だ、大丈夫、安心して学校に行きなさい」
母さんはおれだなだめるような口調で言ったが、そんな姿見てどうにも落ち着かない。
いわれがままに学校に行った。
そうだ、このこと校長先生に行ったほうがいいかも。
学校に行って、校長室のドアを叩く。
「はい」
校長が俺と対面しているように座っている。
「どうした」
「校長に知らせたいことがありまして」
「言ってみよう」
「今日の午後、列車が脱軌し学校と隣の住宅街を壊すとあの予言者が言っただそうです」
「そうか、君も知っているのか、案ずるな、こんな戯言に構わない」
「そうですか、じゃあ失礼しました」
午後になって、突然学校が行事があってグランドに集まろうといわれた。
たくさんの生徒がグランドに集まり、何かと囁きあう。
「みなさん、突然ですが、今日イベントを開始したいと思う、じゃあ早速生徒の代表の登場です」
拍手がグランドを響き、でも、どう続けても人影は見られない。
どんどん場は静まり返った。こんな風に放課後の時間まで続いて。やっと
「みなさん、今日はこれで終了です、解散」
何が始まったかでもないのに、終わった。
帰り道で突然思うが、
「予言って、外れたな」
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