元軍人の異世界旅行記

Mary died

第一章「悪夢の始まり」

第一部「現実世界」

第1話「おめでとう仕事だ」

「おめでとう休日出勤だ」

これほど会社員が聞きたくない言葉が他にあるだろうか?

いや?ある「お前の年金ねえから!」や「有給休暇なんてないから」がある。

それを考えたら「年金無し」に比べればこんなもん優しいものか・・・

「どこに行けというんですか?」

冷静に質問する。どんな時も冷静さを忘れてはいけない。

「本社だ」

本社ということは日本か。

「私が今、どこにいるかわかって言っているんですよね?」

次に、場所の確認だ。

「ん~ロシア帝国?」

・・・わかってるのか

「正解です。で、どこにいると思いますか?」

一番重要なことの確認だ。

「・・・もしかして~」

『お前!誰と話してる!』

「モスクワでロシアンマフィア愉快なお友達の方々とおしゃべり中です」

『お前!誰と話しているんだ!!』

「あーちょっと5分待ってください・・・」

「五分って・・・」

「『予定変更だ。もう、日本に帰ることになった。ボスによろしく伝えてくれ!』」

『待て!まだ話は・・・』

「『終わりだ。新人、ボスに「また来る」と伝えとけ。いいな?』」

「あー終わったかな」

「今終わりました。で仕事の内容は?」

「いつもの場所で話そう」

こうして俺のぶらりロシア一人有給旅行ロシアンマフィアとの会合は終わりを告げたのだった・・・


東京、その中央部に本社はある。

表向きには立派な会社だ。

だが、その実態は・・・

「産休・育児休暇の推奨」「残業ZERO」「従業員の資格取得の推進」「退職社員へのケア」等々を推進して行う企業だ。

もちろん、有給休暇中に呼び出すということはない・・・

ないはずなんだが・・・どうやら私は「」のようだ。

(ああ帰りたい・・・)

大きくため息をついた後、約束の場所へと向かう。

「いつもの場所」それは地下三階にある秘密の場所だ。

(そういえばこんど受付さんが結婚するんだっけな・・・)

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る