いどら
杉山修司
1.空色のいどら
空の色は何色かと問いかける。子供達は青色だと元気に答え、大人達はちょっと捻った色を答え、詩人はむず痒くなるような表現を答える。
正解は黒だ、透明な空は黒色。昼間は太陽が近く、その光の中でも短い波形の青色に。夕べは太陽が遠のくので、その光の中でも長い波形の橙色に。光の届かないよるにこそ、空は本当の姿になる。
スポットライトを浴びたとき、老若男女はすべからく化ける。自分を少しでもよく見せようと、もしくは見せまいと、普段とは違う姿を披露する。それは決して悪い事ではない。それは決して善いことではない。ただ、それは確かに偽りの姿なのだ。
空を眺める度に思う。昼間の青に白が浮かんだ空もいいし、すべてがあかく染まりノルスタジーやらセンチメンタルやらを感じる空もいいが、やはり星々が隊列をなす夜の空が、一番綺麗なのだと。
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