始末書

朝倉あき

始末書

大帝国騎士団 副団長 様


このたびは、戦場で本陣を壊滅状態にしたこと関しまして、私の不注意で大変なご迷惑をおかけし、誠に申し訳ございませんでした。

 事の次第は、9999年12月2日、ユグドラシル大戦において私は普段通り先陣を切っていました。敵の数が予想外に多く必殺技で蹴散らそうと思い、特に必要もない必殺技名を叫びながら踏み込もうとしました。その時、魔法使いのアリン氏が捨てたバナナの皮が足下へ飛んできたので、これを避けましたが敵軍のスライムを踏んづけてしまい、体勢が崩れ、放った必殺技が本陣に直撃、本陣は壊滅しました。幸い本陣には民衆を足蹴にする第一王子しかおらず、被害は最小限で済みました。

今後の対策として、おやつにバナナを含まないようにいたします。

第一王子の身体に多大なる損害を与えて誠に申し訳なく、心からお詫び申し上げます。

 今後はこうしたミスを再びおこすことがないよう、細心の注意をはらう所存でございます。二度とこのようなことのないよう誓約するあかしとして本書を提出いたします。

まことに申し訳ございませんでした。


大帝国騎士団 団長

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