あっち向いた彼女にこっち向いてと僕が言った
神流南*
prologue
「ばーか。
どっちに行っても行き止まりだけど」
なんて言って私の頭を小突く。
「どっちが正解なの?」
そう聞いてみたら、あなたは笑って私を抱き締めて言った。
「これが正解」
妖艶な笑みを浮かべてみせる彼を私はどこか直視できなくて、絡み合う視線を逃がすようにそっぽを向いた。
「ちょっと、蛍。
_________こっち向いて」
強引に向かされた頭。
もう1度、視線が絡み合う。
「蛍ッ」
熱っぽいその声が私の鼓動を跳ね上げた。
そして奪われた唇に互いの体温が溶け合い始めるのは、いつになるのだろうか。
あっち向いた彼女にこっち向いてと僕が言った 神流南* @mahiro725
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