歌う彼女
@tfm0721
プロローグ
荒くなってきた自分の息遣いの合間に、明るめのリズムが聞こえてくる。
1日の始まりに心地よさを届けてくれる、目が覚めるような清々しいリズム。
袖を軽く捲り時計を見る。今はまだ4時53分。
通勤通学者のイヤフォンの音漏れにしては早すぎる。
走る速度を少し落とす。それでも段々近付いて来る歌声。
住宅街の角を曲がり、いつも立ち寄るこぢんまりとした神社の石段に足をかけた瞬間、
ーーその声は僕の耳から入り、頭の先から足の先まで、心拍数と同じ速さで、ドクドク、全身を駆け巡った。身体を震わせた。僕のモヤモヤした心の中に、光が差し込んできた。
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