第2話 くたばれエントロピー

そのころ…

「チーフ…!エルモの軟着陸予定時間になりました…」

「クソッ!まだ信号はないのか!」

「ありません。周波数1.5GHz帯で垂れ流してますがなにも…」

「光通信は!?」

18c光速の18倍で4本分、6.5c光速の6.5倍で4本分でぶっ放してます。」

「もしAOMが起動しないと、周りに熱を奪われて操作不能になります!早くコンタクトを取らないと」

「くたばれエントロピー熱力学!!!」

そう叫ぶと、チーフ - バルダート・ビクトルはその場に倒れた。


 St.ElmoFire聖エルモの炎号は、フランス・イタリア・ドイツの三国で始まった新たな宇宙開発プロジェクトだった。

太陽系外にある中規模ガス星雲、通称『大西洋AO』の中にある、『g3α』

という惑星への鉱物・水などを探るためにローバーを派遣し軟着陸させ、そこで探査を行う予定だった。ついさっきまでは。

ローバー『St.Elmo』とのコンタクトが取れなくなった今、どうしたものかとドイツ北部キールの町で技術者たちは頭を悩ませていた。

本来なら軟着陸が成功し、ローバーにつまれているAIと連携しながら探査を進める予定だったが、原因不明の故障で通信できなくなってしまったのだ。


《今の状況》

   ⚡ ⚡ ⚡ ▷▷▷▷▷▷▷×▶▶▶▶▶▶▶⚡⚡⚡

〔St.Elmo〕             (地球)

  ↓

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〔人工衛星〕

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