天使と幼女と女子高校生

@aki_kaze

第1話

「やぁ、よく来たね!ようこそ天の国へ!」

…へ?

私は眉間に皺をよせて、できる限りの怪訝そうな顔で返した。

「…予想外の反応ありがとう!人間世界では割と有名だと思ってたんだけど…。」

肩を竦めてそいつはしょぼくれた顔をした。

「あの、天の国ってどういうことですか?」

私は一つずつ疑問を解消していこうと思い、尋ねた。

すると、そいつが「ちょっと待っててねっ!」と、私の後ろにくるっと回り込んだ。ふわっと白い綿毛のようなものが飛んだ。

「んんん!?」

いきなり背中を触られて嫌でも声が出てしまった。

「あ、ごめんごめん。」

なんの悪気も無さそうに、またくるっと私の正面に立った。

「ほらっ!これこれ!これがこの場所と君についての説明書だよ!」

ニコッ、と白い歯を見せてその説明書とやらを渡された。

一番に目に入ったのは、私の人生についての欄だった。歴史年表のような書き方だった。

「…え?私…18で死んだ…?」

「可哀想にねぇ…。てか君死んだことにも気づいてなかったんだ!?」

ちょ、ちょっと待ってくれ!脳みそがついていけん!

必死に自分の年表に目を通していく…、やっぱり死んだ!?

オロオロしていると、そいつが、取り敢えず…、と切り出した。

「天の国の鍵渡しとくね。ここが今日から君の家。」

いやいや、淡白すぎんだろ!一人の人間死んだんやで!?

目を見開いてそいつに主張した。

「しっかたないなー。いい?一回しか言わないからね?」

そいつは勿体なさそうに口を開いた。

「君は人生が短すぎた。だから君にはやり直すチャンスがあるんだ。」

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