第4話 それ、一体どうなってるんだい?
「それ、一体どうなってるんだい?」
「ピギュ?」
「いや、それさ、お箸どうやって持ってるの?」
「ピギュ」
「お、ゆっくりやってくれるのか、ありがとう。」
「ピギュ~ピギュ~ピ!」
「こうして、こうして、こう!ってなんか合体変形ロボットの間の工程すっ飛ばすやつばりに意味分からん、まあド○えもんの手みたいなもんか。」
「ピギュ!」
そうこの子、俺が箸を使って食事しているのを見て箸を欲しがったので、渡したら見事に使いこなしてみせたのだ。
触手のようなものを使い、持った箸と反対の触手で小皿まで持って食事をしてみせた。
ただ、俺の真似をしているので、食べる順番も俺と同じ、恐らく食べられる物と食器などの食べられない物の違いが分からないから、俺が食べたら食べられると判断して食べているのだろう。
「それにしても、テリーヌみたいになってるねぇ。」
「ピギュピギュ」
「美味しいかい?」
「ピギュ!」
「おぉ、味覚は有るんだね、益々不思議生物だねぇ。」
「ピギュ~//」
「それ、照れる所なの?やっぱり不思議生物だねぇ。」
会話?をしながらでも食事は進む、今のところ食べられない物はないみたいだ。
「何か気に入った物は有ったかい?」
「ピギュ!」
すると、先程まで唐揚げが入っていた空の器を触手で指し示して鳴き声をあげる。
唐揚げが気に入ったようだ、明日の朝の分も買っておいた惣菜なので、弁当を半分ずつ食べてももの足りないかもしれないと少し多めに出しておいたのだ。
そのせいで明日の朝は買いに行かないと冷蔵庫がほぼ空だ。
「気に入った物が有ったようで何よりだよ、でもそれだけ食べるのは体に悪い?かもしれないからこれからは色々食べてみようか。」
「ピギュピギュ!」
「喜んでくれたようでよかったよ。」
こうして不思議生物との奇妙な食事会は穏やか?に過ぎていくのであった。
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