無音の世界

水流那

第1話

◇無音の世界。


 誰も声を発せず、人々は恐れおののいた。


 愛を囁く声、人々を安らぎに導く歌、母親の奏でる子守唄、木々のざわめき、鳥達の声など全てが過去のものとなった。


 人々は筆談や電子機器の文字で会話することで対応していったが、少しづつ歯車が狂っていった。


 心は荒み、些細な事で争いが起こるようになった。




 一人の子供が居た。


 とても絵を描くのが上手い少年だ。


 彼は人々の笑顔を取り戻そうと、沢山の絵を描いた。


 人々はその姿に感動し、やがて自分達も絵を描くようになった。

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無音の世界 水流那 @suina

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