眠れない夜の子守歌
笠森とうか
00. 神を宿した皇子
皇族には、体内に
百年、二百年も間を空けることはないが、当たり前のように存在するわけでもない。皇の住まう都の民に知らされることもなく、全ての情報は宮殿の奥深くで完結しているためにその事実を知る者の数は限られていた。元より、宿したモノの持つ強すぎる力にあてられて、精神、ないしは肉体の方が耐え切れずに夭逝しがちであるために、外部の者に気付かれるなどまず有り得ないことであった。誰かが違和感を覚える前に、死んでしまうのだから。無論のこと、皇族が何の手立ても講じなかったはずがない。この「神」を取り除くことは出来ずとも、鎮める方法をとうの昔に見つけていた。
それが
時の皇は、名君と謳われた
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