あの日のように

@airi0930

第1話

私はたぶん、産まれてきちゃいけない存在だったんだと思う。


勉強も出来なければ、運動もできない。努力はしてみるけれど、報われないと途中で放棄。


誰かの手伝いをするも、足手まといになるだけ。だからせめて明るくなろうと、話し上手になってみるけれど、自分のウザさに自己嫌悪。


もう疲れきった精神と肉体。



どうしたら良いのか分からなくて、泣いて叫ぶも、唯一の生きる存在だった親友はそんな私を見て、離れて行ってしまった。


面倒くさい性格と、そんな自分にまた自己嫌悪。



「………ほんと、何してるんだろ」


普段立ち入り禁止の屋上フェンスの上に乗り、下を見下ろす。


くだらない理由だ。それなのに自殺だなんて、きっと、みんなはまた嫌いになるだろう。



それでも良い。楽になれるなら。



「……ありがとう」


最後にポツリ、誰にも届くはずのない言葉を言う。そして、フェンスから手を離し、身を前に乗り出す。


…はずだった。


「……待って!!」


聞き覚えのある声が聞こえた。




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