第37話閑話休題 俺から見た、佐藤ミズキ
朝、起きるぼへらーとした頭で、洗面所へ見る。
「お早う。ミズキ。」
俺は、 目を閉じたまま髪をすくなんて器用な事をしてた。
「お早う。真央。……起きてるのか?」
ミズキが、不安げな声を出して聞いてくる。
「起きてるよ。ほら。」
俺は、かろうじて目を開けるけど半目にしかならない。
多分、土偶みたいなはず。
本当に、この体に生まれかわってから、朝が苦手になった。なんでだ?
「なあ、真央。前から訊きたかったんけどな
朝が弱いの、今の体になる前からか?」
俺が、顔を洗ってるとミズキが、質問してきた。
「んにゃ生前(まえ)は、こんなじゃなかったよ。むしろ、そら叩き起こしてたし。」
「ふーん。早く制服に着替えろよ。」
ミズキは、とっと部屋に戻った。
俺も部屋で、制服に着替える。
朝、俺達二人が洗面所を占領すると、狭いので母さんが、安かったからとスタンドミラーを買ってきた。色違いが、ミズキの部屋にもある。ミズキは、いらないって断ってたけど、母さんは、半ば強引に置いてた。
それはそうと、スタンドミラーのお陰で、全身チェックしやすい。
髪のチェックと、制服のチェックを終える。
うん、OK。
部屋から出でくると、同じように制服に着替えたミズキが、いた。
俺は、じーっとミズキを見つめてしまう。
少し茶色い髪の毛後ろに一つに結んでる。
今日は、ポニーテール。うん、今日は、機嫌がいいな。
ミズキは、無意識なんだろうけど機嫌によって髪を結ぶ高さが、違う。
機嫌が、悪かったりすると低い位置で結んでる。
ちなみに、我が家に連れられてきた日は、低い位置だった。
「何、じーっと人見つめててんだよ。」
うぎ、見つめてた理由を考えなくては
「 なんで、身長そんなに、高いんだよ。」
前から、羨ましく思っていた事を口にする。
「そんなに、高くないよ。153センチくらいだったと思う。なんか、知らないけど、入学からにょきにょき伸びてさ。」
にょきにょきってお前は、タケノコか!
「羨ましい。俺なんて、148センチから149センチにしかならなかったのに。」
悔しいな、身長伸ばす方法調べようかな。
朝食を食べて、歯磨き済ませると家を出る。
「「行ってきます。」」
「行ってらっしゃい。」
母さんに、見送られて学校に向かう。
未希と波奈それに、ミズキも加わって益々賑やかになった俺の登校風景。
生前(まえ)なら女子が、きゃあきゃあ言いながら歩くの見てると、うるせーなって思ってたけど、今は、こうやってきゃあきゃあ言いながら歩いて、学校へ行くのは、楽しい。
学校へもう少しで着く頃、渉と健人を発見する。
俺は、躊躇わず渉の方へ、駆け寄る。
「渉ー」
「真央」
「朝からはた迷惑なバカップル、俺は、先に行ってるぞ。」
健人が、呆れて俺達の側から離れる。
俺は、チラリとミズキの方を見る。
未希と波奈が、何か言ってる多分、健人の方へ行けとか言ってるんだろう。
「別に、後で教室で会うんだよ。今行かなくてもさ。いいでしょ」
ミズキのセリフが、聞こえてきた。
可愛くねーな。あいつ。
でも、本当は健人の側に行きたいだろうけど多分、恥ずかしいんだろう。
その証拠に、頬が赤い。本人気付いてないだろうな。
本当に、ツンデレだ。
髪を誉めれば、「そんなこと、言われても嬉しくないんだからね。」と言われるし。
肌が、白くて綺麗だと誉めれば、やっぱり怒られるし。
そういう時は、頬が赤い。
素直になればいいもんを大概は、子猫がしゃーって言うみたいに、怒ってる。
あと、この前偶然みかけたけど、部屋で謎の踊りを踊ってた。
確か、俺が髪が綺麗だと誉めた後だった。
本当にツンデレだ。
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