第24話閑話休題 俺が女子になってからの色々 後編

ピンポーンと、長谷川家のチャイムが鳴る。

真央が玄関を開けると、1人の少年がいた。

身長は180センチくらい、目付きが鋭いクールな感じの少年だ。


「渚!」

南 渚(みなみ なぎさ)真央とそらのかつての同級生であり真央が男子だった頃の親友でもある。


「なんでいるんだよ!」

「なんでってお前の事で、桃子さんから頼まれた事があるんだよ。」

「 頼まれた事?」

真央は、首を傾げて考える。昨日、母さんが

誰かに何か頼んだって言ってたな

「お前が、中学に入るうえで色々不便だから俺の妹に協力してほしいって昨日電話してきたんだ。桃子さん」

「 妹って、未希ちゃんだっけ?」

真央は、何度か会った事のある渚の妹未希を思い出す。

「そうだよ。未希だけじゃなくて、ああ来た来た。」

「お兄ちゃん、連れて来たよ。」

渚の後ろから、髪をみつあみにした少女がやって来る。渚の妹未希だ、その未希の横に

未希より身長が、低く髪をお団子にしてる少女がいた。

「 未希は、知ってるよな。こっちは、未希の友達の田中 波奈ちゃん。事情知ってる人間が1人よりいいかと思って未希に連れてきてもらったんだよ。」

「まあ、家の中で話そうぜ。」

真央は、3人を家に招き入れる。


「まずは、ざっと事情話してからでいいよな?」

真央は、渚に確認する。

「そうだな、未希には一応話してあるけど、波奈ちゃんは知らないわけだしな。」

「じゃ、話すか」

真央は、波奈に自己紹介してから全てを話した。


「まあそういう訳で、今はこんな姿なわけだ。」

「そんな事ってあるんだねぇ」

と、波奈がしみじみと言う。

「私、お兄ちゃんから話聞いた時は、ウソよねって思ってたのよ。でも、真央さんに今日会って、ウソじゃないとわかって、なんか不思議な気分よ。」

「 俺も、最初は疑ったよ。でも実際に本人に会って話してさ、昔の事とかな、俺と真央しか知らない事言った時は、ウソじゃねえんだって思ったよ。」

南兄妹にそう言われて、真央は、

「 俺こそ、最初は夢だろって思ったけど。

時間がたつごとに、夢じゃないってわかるとな、やっぱりちょっと前の体が懐かしいけどな。」

そう言ってから真央は、

「こんな、話するために3人にきてもらったんじゃねぇ。今からの事色々相談するんだよ。」

「そうだ。具体的に何したらいい?」

「うーん。とりあえず、これから女子として必要な事とか教えてほしいんだよ。2人に、お願いします。」

真央は、未希と波奈に頭を下げる。

「えーそんなに、固くならなくてもいいのに。ねぇ未希?」

「そうよね。波奈 ねぇこれからは、友達として接するから真央って呼びすてにしていい?」

「 あーいいけど。」

「じゃあ、真央今から一緒に買い物に行かない?」

「なんで、買い物」

「いいから行こう、買い物。決定!」

未希と波奈に、準備するから部屋へ連れてけと言われる。

「渚、助けてくれよ。」

「真央、女子の流行りとか知るには買い物は手っ取り早いかもな。女子中学生と女子高生じゃ違う部分もあるだろうし。そらの話聞くよりは、いいだろ?」

そらの性格を真央の次に知ってる渚にそう言われて、ぐうの音も出ない真央。

確かに、そらに女子としてのイロハを指南されるなんて、もっての他である。ウソを教えられるに決まってる。

それなら、未希や波奈と買い物に行く方が絶対にましである。

真央は、未希と波奈と一緒に部屋へ行き準備した。

ちなみに、2人は元々買い物に行く予定だったので、準備は出来ている。

2人と一緒に服を選んだり、髪の結びかたを教わったりして、準備が整う。


リビングに、何故か桃子とお茶をしてた、

渚の所に真央は、いく。

「 ツインテールかよ。真央、似合ってるけど。」

「 2人に散々いじられて、この髪方だよ。

何故か雑誌のヘアスタイル特集みたいなページが、開いて置いてあってよ。それ見て2人が、ツインテールだーって」

「ふーん。まっ行ってこい !」

と渚。

「お兄ちゃん、夕方までには、帰るから。

ママに言っておいて」

「わかったよ。伝えて置くよ。」

南兄妹のやり取りを聞いてる間、波奈は

ケータイで、親にメールしてた。

真央は、2人に連れられ家を出る前、渚に

「あいつら、元気してるか?」

と、かつての友人達の事を聞いた。

「ああ、元気だよ。今度から、俺からお前の事伝えとくよ。」

「…頼んだ。じゃ」

真央は、渚に泣きそうな顔を見られないように、無理やり笑顔になってそう言った。

真央は、新しい友人、未希と波奈と一緒に新しい一歩を踏み出した。




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