第19話19


19

授業が 終わり 真央は、友人達と帰る為玄関へむかう途中 知らない男子生徒から 声をかけられる。


「1組1組の長谷川さんだよね?」

「はあ、そうです。 俺に何か用ですか?」

と真央は、声をかけてきた男子生徒の名札を見る。

名札は、名前の下に各学年ごとに違う色のラインがひいてある 1年は、黄色 2年生は緑 3年生は、紺色である。

目の前の男子生徒は、緑色 2年生で 生田と書いてある。

「 あのさ ちょっと話があるんだけど、今いいかな?」

「 はあ いいですよ。」

真央は、また 告白かなあと 思い 友人達には先に帰っててと 言って 男子生徒について行く。

体育館の裏に来ると 男子生徒に

「 話ってなんですか?」

「 その前に 自己紹介させてよ。僕は、生田 優真(いくたゆうま)」

「 で、生田先輩は 俺に話ってなんです。」

「 あー えーと 僕と付き合ってください。」

「 すみません、俺 好きな人がいるんです。

ごめんなさい」

真央は、ソッコーで 生田をふった。

「 そっか 」

「 本当にごめんなさい」

「いや いいんだ」

と 生田は、肩を落として 去っていった。


真央は、家に帰りながら 一体何人目だと思い 手で数える。

「13人目 今月に入って なんでだよ。…男だった頃 女子から告白なんかされた事ねーぞ もちろん、渉がいるから 駄目だけど」

「 何、1人で ブツブツ言ってるの ?」

「わぁ なんだ、圭かよ ビックリするだろ」

後ろから 話しかけてきた 信田 圭(しのだ けい)に真央は つい そう言ってしまう。

「 ごめん 脅かすつもりは、なかったんだ

さっき ブツブツ言ってたのって 告白された人数?」

「 まあな なんで俺 なの 他に 女子いるだろ」

「 真央は 知らないの? 最近 男子に 真央人気なんだよ 部活の先輩が言ってたよ 小さくてかわいいのに俺っ子 そこが いいって」

「 はあ?なんだよ それ しかも、小さいって 入学から半年たっても 身長が 横ばいな俺には悪口だ」

「真央、いつの間にかクラスで、一番小さい女子になったもんね」

「 俺は、どうせ、ちびだよ。」

真央が嘆いていると 圭は、まわりをキョロキョロと見渡して

「 真央、暫く橋田と一緒に 行動しなさい いいわね」

「うん 」

圭の勢いに真央は、 理由をきかず返事した。

圭の言った意味は、翌日は、わかることになる。


「お早う 渉」

いつものように登校すると 玄関で 渉に会うと挨拶して 一緒に教室へ行く。

教室に入るなり 圭に呼ばれる。

「真央 私の言った通りにしてくれてるんだ!」

「うん まあ」

「 あのね 真央 こんな奴に出会って 話しかけてきても 無視していーからね」

と 1枚の写真を見せてくる。メガネをかけた少年が写ってる。

「誰 この人?」

真央は、少年の名前をたずねる。

「名前 知らなくていい 変人ナルシストだから」

「 とりあえず、無視したらいいんだな?」

「 うん もう危険人物だから 近寄らないでね」

圭は、念押して真央の側から離れていく。

ああ言われてからには、圭の言った通りにした方がいいと 真央は思い 渉や未希と波奈の側にいるようにした。


しかし、放課後 部活があるため 終わるまで 真央は、渉と別行動である。

「じゃ 今日は、終わりよ 気をつけて帰ってね」

部長がそう言うと それぞれ片付けて帰る支度をする。

真央は、美術室を出て吹奏楽部の部室をめざそうとしたとき いきなり 手をつかまれる。

「 長谷川さん いやーやっと 二人きりになれるよ。いっつも 誰かと一緒だったね今日は 誰かの入れ知恵なんだろうけどね」

真央は、相手を見る目の前には、昼間 写真で 見たメガネ少年が いた。

「離してください 俺 今から 友達のとこ行くんです。」

「知ってるよ。吹奏楽部の 橋田渉だろ?

しかも友達じゃなくて 彼氏だろ?」

「知ってんなら 放せよ 俺は、渉のとこ行くんだ」

「いやだ、あんな奴より君には、僕がふさわしい そうに 決まってる だから一緒に帰ろう」

と無理矢理 真央を引っ張っていく。

「意味わかんねーよ。つうか放せ」

真央が、暴れてると 渉が

「 あんた 何 人の彼女に手をだしてんすか?

それに いやがってんだ 放せよ」

「駄目だ」

「 いやだってば、」

3人が もめてると メガネ少年の頭をスパーンとノートで 叩く少女が1人

「 なにやってんの 兄さん 」

「圭」「信田(しのだ)」

真央と圭が叫ぶ。

「 ごめんね 二人ともこの変人ナルシストは私が、よく説教しとくから」

と兄を引きずる圭を見送り

「 俺らも帰りますか 」

「うん あーもうどうなるかと思ったよ 助かったよ 来てくれてありがとうな」

真央は、渉にお礼を素直に言った。

「いや どういたしまして ね お返しに キスくらい してくれても いいんじゃない?」

「調子にのるな バカ」

と真央は、ペンと渉の頭を叩いた。



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