ショートストーリー

方 久太

マカロン

「センパイ!」

「......ん?」

「これ!センパイが持ってるのマカロンですよね!?」

「......嗚呼。」

「私マカロン大好きなんですよ!」

「へえ......で?」

「なんでそんなんなんですか!もーちょっと反応してくださいよ!」

「五月蝿い」

「えーだってセンパイの大事な彼女の好きなものですよ!?

プレゼントしようとかないんですか!」

「これはあげる人がいるから駄目」

「じゃー今度買ってください!」

「........気が向いたらな。」

「やったぜ!」

「五月蝿い」

「期待してますよ!センパイ!」

「はいはい、勝手にしとけ......」

「ハーイ!大好きですよーセンパイ!」

「.........俺もだよ(ボソ)」

「...なんて言いました?」

「いや?なんでも」

「えーなんか絶対大事なことですよね!教えてくださいよ!」

「駄目」

「えーー」

「期待しとけ」

「!!はーい!」


(いつもありがとうなんて、絶対に言えねーな)


────夕暮れの帰り道


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