肌に惚れる男 6
絵の具を縁取る赤い光。三浦が持つ筆先にその光が舞い降りたかのようだった。
札幌は季節がはっきりとし、彩りや空気がそれらをくっきりと描き出す。そんな近頃の空気に染められたのか、三浦が選ぶ色彩はやや赤みがかっていた。
目の前にいる裸婦に、その赤色を見いだしたわけではないのだが、彼女はそんな赤色をこのアトリエに運んでくるのだ。
三浦のカンバスには、ゆるりとカウチソファーに座っている裸婦。外を眺めているのか何を見ているのか、ぼんやりと。緊張感のない姿。赤み帯びた肌色がくつろぎの瞬間を暖めているようだった。
多恵子の頬はそこに座るといつもぽっと紅くなる。最初は恥じらいもあったのだろうが、今は違うようだった。彼女が三浦が司ったテーマに乗ってくれたその気分。くつろぎの中にある暖かみを身体の奥から自分をその気にさせて醸しだし、そのままに肌を暖めているようだった。近頃はぼんやりとした表情の中にも、僅かな微笑みを表現してくれるようになった。そこは三浦の思うところとは一致していなかったが、敢えて三浦は多恵子の裸婦としての表現に乗せられてみる。どことなく、ぼんやりと抜けているような表情でも、最後には幸せを感じているだろう女性のひとときを見せられているようで、赤いという暖かみある色彩を選んでしまっているのだ。
――正直。もっと寂しいものなのかと予想していた。
世間一般の主婦の、そんなやるせなさをメディアや知り合いの奥さんから聞かされていると、つい。それとも多恵子だけが、そんなありきたりに満足できる女性だったというのだろうか。
筆を取り、テーマを司り、描き出すのは絵描きの自分でありながらも、モデルからもテーマを補う表現を求める。いつだってそうであったし、モデルもそのことは良く心得ているものだった。だが、多恵子は『補う』ではなく『与えられてる』と感じることが多い。それが三浦の思うところと反していても、どうしてか描き出そうとしている三浦がそれに従わざる得ない表現をさせられる。
多恵子は徐々に裸婦という『表現者』として慣れてきているのに、逆に三浦がそれに戸惑っているところだった。
だが、筆に迷いはない。まるで自分の思いを油彩に乗せつつも、多恵子がそこに乗っかってきている感触。その感覚が初めてで、だからこそ戸惑っているのだ。
「すっかり秋ですね。北海道は季節がはっきりしているから秋の彩りも濃いと僕は感じているんですよ」
その日の制作時間を終え、三浦は筆を置く。本日の使命を終えた裸婦多恵子も、そこでポーズを解いてガウンを羽織った。
「絵描きさんらしい表現ですね。私はいつもの秋にしか思えなくて――」
だいぶ冷え込んできたせいか、多恵子が自分で見繕ったガウンはふんわりとした白いウールのもの。羽織っただけで暖かそうに見え、それでこの冬をこのアトリエで越すのだという彼女の意志を見たような気にさせられる。
いつものように、三浦から先に部屋を出て紅茶を入れる準備をする。三浦がアトリエを出たのを見た多恵子が着たばかりのガウンをまた脱いで、着てきた服を元通りに肌に身につける。
服を着た彼女がアトリエから出てくる頃には、コーヒーポットの湯が沸く。すると多恵子がやはり三浦を押しのけてお茶を煎れてしまうのだ。つまり三浦はお湯を沸かす係というわけだ。
これまたいつものように二人で向かい合って、本日の制作を労う一杯でくつろぐ。
「今の絵はもうすぐ出来上がります」
三浦から呟いた一言に、多恵子が驚いた顔を見せた。
「もう、ですか」
一ヶ月弱だろうか。あっという間の勢いで描いてしまったのだ。多恵子が帰った後も、彼女を目の前にしていた感触が残っている内に色のせをしたり、次の色をのせるためにその日に乗せた絵の具の油を乾かしたりしていた。
すると目の前の多恵子がすこしばかり寂しそうな顔になる。だが三浦もわかっていてそれを言い、そして既に多恵子が『これで終わり』と残念に思ってくれていることを知り喜びを感じた。
「ですけどね。まだ僕の『裸婦、多恵子』との創作は第一歩を踏み終えただけなんですよ」
どういうことかと、がっかりしていた多恵子が三浦から直ぐに答を求める眼差しを見せてくれた。
「今回は、貴方の第一印象というのでしょうか。それを描きたかったに過ぎないのです。連作を考えています。その第一作が出来た。それだけです」
「私を、連作で――」
「そうだよ。前回の作品も連作だった。藤岡画廊にあるあの大型の裸婦画を残して、すべてばらばらに売れてしまったけれどね。一人の女性を通して、各々の角度から制作したんです」
「さしつかえなければ……。前回の女性はどのようなモデルさんだったのですか」
多恵子から、そのように踏み込んだ質問をされたのは初めてだった。しかも彼女は殊の外真剣な顔で。既にそこには同じ裸婦としてのプライドがあるような気にさせられた。前の創作より素晴らしいものにしたい。そう思ってくれている部分もあるだろうが、多恵子のように表現力を敏感につかみ取れる感性の持ち主としては『彼女は彼女、それなら私は私の創作が出来るようにしなくては』という心意気を垣間見せてくれた気がしたのだ。
だから三浦も構わずに、横浜の若夫人について話した。
「裕福な家庭に嫁いだ、若い奥様でした。そうだね、僕よりも息子との方が歳が近くてね。僕から見たらまだお嬢さんだったよ」
「先生のお子様も、男の子だったのですね」
「うん。お陰様で、今年成人でね。東京の芸大に通っているんだ」
というと、多恵子がとても驚いた顔。
「まあ、そんなに大きな息子さん? 私はせいぜい高校生かと」
「それを言ったら、多恵子さんも。僕よりずっとお若いのに中学生のお子様がいると知った時、僕だって驚きましたよ」
「しかも先生の血筋をしっかりと受けて、芸大に進学ですか。すごいわ」
「いやいや。それは僕も驚きだったというか――」
などと。普段はそれほど語り合わない互いのプライベートを照らし合わせて、急に笑い合った。最近はそこまで互いの関係に緩みが出てきたところも感じるようになった。
だが、本題はそこではなく――。
「彼女が裸婦モデルを承諾してくれたのは、元より写真ファッション誌のモデルさんをしていた経緯もありまして、それほど肌を見せることには抵抗はなかったのですよ。あとは――『寂しさ』でしょうかね。お若い美しいお嬢さん、結婚前はファッション誌の第一線でモデルをして持て囃されていた。なによりも人も羨む結婚をされたのに、彼女は幸せだとは思っていない顔でした。その寂しさを創作にぶつけてくださいましてね」
「満たされているはずなのに、満たされない若いご婦人ですか。若い故の揺れもありましたでしょうね。私も裕福ではありませんが、結婚したばかりの時にありましたから。今、思い返せば懐かしいだけの、通り道でおわっておりますけれどね」
思い悩んだ時期もあったが、それも誰もが通ってきただろう『道筋』。多恵子だけじゃない、誰もが一度や二度は思うこと。今は思い出だと多恵子がふふと笑う。
「僕もそれを感じていたのかもしれないね。彼女を見ていると痛くてね。僕は男だけれど、そうだね……男女に関係ない、そんな若さの揺れを懐かしく思った感触があったかな」
多恵子との他愛もない会話から、どことなくシンクロする感触を得ることもある。年齢を重ねた中年同士だからなのか、同じ創作に向かうことが出来たほどの波長を持ち合わせていた者同士だからなのかはわからないが。だが二人はそこで穏やかに微笑み合っていた。
赤茶色のタートルネックセーター。すっかり秋の装いになった多恵子が、目の前で味わっていた紅茶のカップを置いた。
「それで。先生は次回は私にどのようなモデルをお望みなのですか」
モデルそれぞれの特徴がある。それを再確認でき、自身にも自信がついてきたのか、多恵子から次回の制作について話を振ってきた。
「うん。まだ漠然としているのだよね。もちろん、根底は今のままの多恵子さんなんだけれど。いろいろ探り当てたいなあ」
「探り当てる、ですか?」
「うん。女性は元々色々な面を持っていると僕は思っているんだ。男よりずっとね。良く耳にする、女であり妻であり母であり、そんな三つの顔だけでは割り切れない、でも女性の誰もが持っているだろう何かをね、探しているんだ」
なんとなく理解できたが、多恵子もやはり漠然としているのだろう。答えにはすぐにたどり着けないもどかしそうなため息をこぼすと、彼女はまたティーカップと手に取った。
「突然ですが、先生は……いつも制作について、モデルの女性と話し合いをされてきたのですか」
急に話題を変えられたが、ぼんやりと次なるテーマを考えていた三浦はハッとさせられた。
「い、いいえ。あ、ああ……うん。でも、こうしてお茶を飲みながら、休憩の間とかの他愛もない会話で掴むというか。多恵子さんとも同じようにしているつもり、ですが……」
「そうですか」
そこで多恵子はとても納得したようににっこりと笑うと紅茶を飲み干していた。
三浦もはたとした。そう言えば、ここまで的確なテーマを探ろうとモデルと話し合ったことなどなかったなあと。ただ本当に他愛もない会話から感じ取った彼女達を勝手に描いてきたというか。何故だろう? 多恵子とは作品について『生』で触れあっているような気がしてしまった。
首に真っ白なストールを巻き、カフェオレ色のトレンチコートを羽織った多恵子が帰ろうとしていた。
相変わらず、流行に沿っているがオーソドックスな色合いで揃えているところが慎ましやかというか。ただ赤茶のセーターが良い効かせ色になっていて、そんな洒落っ気は忘れていないところが控えめに過ごしていても品ある良き奥様だなと三浦は思っていた。なによりも。何処かに季節感を思わせる色を少しでも多恵子は忍ばせてくる。だからだろうか。筆に秋の暖かい色合いを彼女の肌に背景に乗せてしまったのは。
靴でさえ、ブーツになった多恵子。北国の早い冬の訪れを感じさせる。
「街路樹の葉も色づいて、ナナカマドも実も赤く実りましたね。僕はあのナナカマドの街路樹の美しさを初めて見た時に札幌に来て良かったと思ったのですよ」
「ナナカマドの実は雪の季節でもそのまま実っていますから、空も地も真っ白なばかりの札幌ではあの朱色は良い彩りかもしれませんね。見慣れていますが、私も好きです」
そんな会話が出来るのも、三浦はとても心地よく感じていた。おそらく、前回の若き横浜セレブ夫人ではこのような掛け合いは無理だっただろうなと。
ブーツも履き、帰る身支度を整えた多恵子がいつものように『お疲れ様でした』と丁寧に三浦に頭を下げてくれる。いつものことだった。
「うん、今週もお疲れ様。今度は三連休空けですね。良い休暇を」
「先生も――」
家族とどのように過ごすのだろうか。ありきたりな女性として彼女を捕まえたのだが、それでもプライベートの様子が生々しく透けて見えることは一度もなかった。
多恵子がドアノブを握ってドアを開けようとした時だった。ひんやりと入り込んできた外気の中、彼女が振り向く。
「先生。モデルは表現者なのですよね」
唐突な問いかけ。そして多恵子は真顔で、そして三浦に必死になって答を求めている目になっていた。
「そうだよ。前にも話したね。美術モデルに転向する女性は、元は演劇をしていたりバレエをしていた女性が多いと。彼女達は自分達の裸を見せびらかすために裸になるのではなく、表現をしていることを見てもらおうとしているのだよ。そう、僕が絵を描いて、それを見て欲しいようにね」
三浦も真摯に応える。
「私もモデルですよね。表現、出来ていますか」
「勿論ですよ。一作、出来上がる。あれは貴女も描いたに等しいのですよ」
微笑みかけると、またあの愛嬌ある黒目が愛らしく丸くなった。
「もっと、私からも表現をしてもよろしいですか。先生の意にそぐわなければ、注意してくださいね」
「期待していますよ」
そうだ。多恵子は三浦が思っていた以上に『表現者』だった。それは嬉しい誤算で、それとも自分のモデル探しの勘が良かったのか。とにかく、久しぶりの創作欲を掻き立ててくれるモデルに遂げてくれたことはもう言うまでもない。
満足そうに微笑む多恵子を三浦は見送った。
―◆・◆・◆・◆・◆―
連休明け、この週最初の制作日。空気は冷たくなったが、晴れれば相変わらずの深い青さを見せてくれる秋晴れの札幌。
その日。多恵子の目の前にて、三浦は第一作目をとりあえずの完成とさせた。
『出来上がった』という三浦の満足げな笑顔を見て、ポーズを保っていた多恵子がガウンを羽織ってイーゼルまでやってきた。
「第一作目の私ですか」
「そうですよ。多恵子さんが私じゃないみたいと言っても、僕の中では多恵子さんですからね」
最後の集中力を高め筆を握っていたせいか、久しぶりに額に汗。三浦はそれを拭いながら、握っていた筆と手にしていたパレットを置いた。
「これが、裸婦の私」
多恵子の目が輝いていた。とても感激に満ち、そして達成感に包まれ、僅かに涙が滲んでいるように見えるのは、三浦がそう思いたいからなのだろうか。
「季節的なものも手伝っていたかもしれません。ナナカマドの実が赤くなったり、葉が紅葉したり、それから多恵子さんが良き着てくるあの赤茶のセーター。とてもよく似合っていたからね。それでもそこに座っている多恵子さんの周りに暖かい色が漂っているような気がしてならなかったんだよ」
「本当は赤は似合わないと思っているのですけど。それなのに秋になると赤色が欲しくなるんです」
「あれだね。秋になるとアップルティーが飲みたい、アップルパイが食べたい。あれも赤色を連想させるひとつだったのかな」
「あら。そうかもしれませんね。初めて気が付きました」
また多恵子がころころと笑う。ガウン一枚、その下は素肌。なにも身につけていない。初めて脱いだ時に見せていた怯えに戸惑いなど、もう彼女はどこにも持っていない。――こうして男と二人きりの部屋にいても、彼女はもう彼女らしく肩の力を抜いて笑っているのだろう。それだけの信頼関係が出来ているのだと三浦も満足なのだが。
「先生、もうタイトルは決めていらっしゃるのですか」
「そうだね。なんとなく」
「やはり、『ありきたりな女』ですか」
多恵子から、自分はそんな女だと割り切っている微笑み。彼女は自分が描かれた絵をまるで鏡でもみるかのように愛おしそうに見つめているのに。それでも『ありきたりな女』だと。
「いや。それこそありきたりだな。たとえ、貴女が『ありきたり』でも、それで終わらせたくはないな。次の作品もそこへ繋げていきたいと思っているからね」
「ですけれど。あまり格好良すぎても、私が困ります。どうせなら本当に私らしく――『平凡』とかどうですか」
いやいやと、三浦は首を振る。それにしてもこんなタイトルまで多恵子と論議し合うとは思わなかったが、三浦もつい乗ってしまっていた。
「平凡だけれど、君たちにとって特別でもありたいんだよ」
「難しいことを仰いますね、先生ったら」
徐々に話し合いを深めていく内に見せてくれるようになった多恵子の不満顔。初めて会った時は心の中を見せまいとしている頑なに貞淑を守っているかのような夫人の顔だったのに。彼女は日々、表情の豊かさを三浦に見せてくれるようになっていた。そんな多恵子の膨れ面も、なかなか愛らしいもので。年長者の三浦としては、やはり近所にいた年下の可愛い娘さんの相手をしているようにただただ笑ってしまうのだ。
「そうだな。『日常』とかどうだろうか。日常には、平凡も特別も含まれていると思わないかい」
「そう言われてみれば。――『日常』ですか。私の、この姿が」
「そう。多恵子さんの、ありきたりな日も、喜びも悲しみも驚きも怒りもなにもかもがそこにある」
などと、言ってみて、三浦はちょっと照れていた。
「……僕は言葉がありきたりな男かな。今、すごいくさいことを言っていたなかったかな」
ばつが悪く頭をかくと、多恵子がくすくすと笑っていた。
「いいえ。たとえ、先生の言葉がありきたりでも、先生の作品がちゃんとフォローしてくださっていますから、その素晴らしさは伝わっています」
なんかこの彼女も言うようになったなあと、三浦は呆れそうになったが。それでもそんな多恵子はいつもどおりに柔らかく優しくそこにいる。
それは三浦にとっては既に心地よいものであることに、まだ気が付いていないが、すっかり馴染んでいたのは確かだった。
さて、次回からはどのような多恵子を描こうか。
いろいろな思いはあるのだが、まずは裸婦の多恵子にいろいろなポーズを取らせてから勘を働かせてみるかと、三浦は次の制作に取りかかろうとしていた。
街路樹の葉が木枯らしに散り、七竈の実だけが残る札幌の街並み。
多恵子と次なる制作を始めようとしていた日のことだった。
いつものように制作日にチャイムが鳴ったので、三浦は嬉々として多恵子を玄関へと迎えに行ったのだが。
「先生、こんにちは」
ドアを開けると、そこにはいつもの多恵子が微笑んでいた。
だが三浦はそこで硬直してしまった。
何故なら、多恵子の側に制服姿の少年がいたからだ。
「私の息子、大輔です」
ほうと、三浦はあどけない少年を見下ろした。ころんとした黒目が多恵子とそっくりで、三浦はつい微笑みかけてしまったのだが。いや待てと、頬をさすった。先ずは何故、母親が息子をこのアトリエに伴ってきたかが気になるところであろうと、無言で多恵子にその答を求めてみたのだが。
「あの、大変勝手で申し訳ないのですが。息子に、先生と私の制作を見学させてくださいませんか」
その申し出。もう一度言ってくれまいかと三浦は目を見開いて多恵子を見てしまった。
なんだって。つまりそれは、母親が見知らぬ男性の目の前で裸になるのを息子に見せて欲しいと言っているのかと? いや、まさか。だからこそ、多恵子にもう一度尋ねてみた。
「なにを見学させたいと」
「ですから。私の裸婦制作を息子に――」
返ってくる内容はちっとも変わりそうになかった。
母の横で、この母親と出会った時と同じように平坦な表情をした少年が、これまた真っ直ぐに三浦を見つめていた。
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