まちがいだらけ(?)の中世ヨーロッパ風FT小説
早瀬千夏
ぼくが書いた中世ヨーロッパ風ファンタジー小説!
タイトル『騎士団長が殺された』
あらすじ
ハルキは貧しい農家の息子だったが、どうしても騎士になりたくて、ある日、村を出ていった。
都へ向かう途中、盗賊団に襲われる。祖父の形見の大剣を振り回し、盗賊たちをやっつけた。
そのなかに囚われた少女がいたのだが、彼女はある豪商の娘だった。その御礼にと、ハルキは歓待される。
豪華なごちそうを食べ、ふかふかのベッドで眠り、町中の人たちから「勇者ハルキ様」と称えらえる。
その名誉が王様の耳にまで入り、ハルキは謁見した。数々の知識を披露してみせる。
「おお、なんという素晴らしい若者よの」
王は感激し、ハルキを騎士に叙任した。
じつはハルキ、21世紀の未来から転生した少年だったのだ。14歳のある日、登校しているとトラックに跳ねられてしまい、死んでしまった。気がついたら、中世ヨーロッパの農村で生まれた。
前世では陰キャラと呼ばれ、友達どころか彼女もいなかったから、現世では絶対にエリートになってやる、という野望を持っていた。
騎士になったハルキは姫君たちと恋に落ちる。しかし姫君は三姉妹だったから、四角関係に悩まされてつらい。
ある日、二番目の姫君が一番目の姫君の日記を盗み見てしまい、ハルキと仲が良いのはあたしだけじゃなかった、と知り、修羅場になる……。
そんなモテモテなハルキの教育係に選ばれたのは、騎士団長ヨハン。
怖いヨハンをハルキは嫌うのだが、戦争になったとき彼が代わりに斬られ、命を救ってくれた。実は才能豊かなハルキを息子のように思っており、英雄に育てるため厳しく教育したのだ。
「うぉぉぉ! よくも、ヨハン騎士団長を殺したな!」
ハルキは大剣を振るって、敵陣の真っ只中へ向かう。王を刺し、仇をとった。たったひとりで敵を降伏させた。
戦争に勝利すると、英雄ハルキと呼ばれるようになり、新たな騎士団長に任命されたのだった。
………………
ヨハン「おい、起きろ、ハルキ。いつまで寝ている」
ハルキ「え? ここどこ?」
ヨハン「以前、おまえが救った豪商から宴に招待されたのだ。早く支度をしろ」
ハルキ「もしかして、ぼくの小説世界にトリップしたのか?!」
ヨハン「中世ヨーロッパ風とあるが、まちがいだらけだぞ。私が教育し直さんといかん、と思ったのだ。さあ、行くぞ」
ハルキ「え、え、まてよ、ヨハン! そんなことってあり?」
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