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うーらみっこなっしよっ!じゃーんけーんポン!私の勝ちね!それじゃあ私はコーヒー牛乳がいいな、喉乾いてるから駆け足ね、よろしくぅ!

勝負に負け、クソ暑い中彼女の所望する品を手に入れて戻ってきた僕が見つけたのは、からからに干からびて骨と皮に成り果てた彼女の死体だった

牛乳は僕が飲んだ


ちょっとぉ、なんで飲んじゃうのさー!それ私のだよ?

水をかけ蘇生した彼女は開口一番文句をたれる。死んでたんだから別に構わないだろうと思ったのだが、まさかこんな簡単に生き返るとは。

もう一度買いに行かさせるハメになった。今度は僕が帰ってくるまで干からびて死なないよう注意しておいた。


購買横の自販機までたどり着いてはたと考える。またコーヒー牛乳でいいのだろうか。特に指定はされてないし、同じものを買っていくのが無難な気がしたが、、

確認のため携帯を取り出して電話してみる

ーおかけになった電話番号は現在電波の届かな……

まぁ同じでいいだろうさ

コーヒー牛乳を買った


飲みながら戻ると、やはりというか当然だが彼女は干からびて死んでいた

ため息をつきながら水道に水を汲みに行く

きっと蘇生した彼女は言うのだろう「なんで飲んじゃったのさー、また買ってきてよー」と、あるいは「じゃんけんをしよう!負けた方は勝った方の言うことを聞くのだよ!」だろうか




お金はいらない、そうゆうふうにできてる

売り切れにはならない、そうゆうふうにできてる

彼女は死なない、そうゆうふうにできてる

彼女は僕を裏切らない、そうゆうふうにできてる

僕は彼女を諦めない、そうゆうふうにできてるらしい


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