名前のない怪物
いしいんこ
ー序章ー
ショウ、貴方に聞きたいことがあるの
男、いや、少年と言った方が早いであろうか。少年は、山の上に立っている、そして上からはなにが液体が降り注いでいる。その雨は紅かった。紅い雨が少年の頬を濡らした。そう、雨とは血なのだ。その少年が一人で作り上げたものなのだ、ということはその少年の下に積もっている“山のような何か”は少年が創り出した死体、動かなくなって、瞳孔が開ききって身体も芯まで冷えきってその上に身体中に穴が空いているなら尚更に死体を彷彿とさせるものだ。少年は鞘に二つの剣ーー双剣をぶら下げている、恐らくだがこの剣で人間を殺戮したのだろうか、そう思うと少年の身体能力、そして殺すことに躊躇いのないその精神病質感には大層感心させられるものがある。しかし少年も人間なのだ。宇宙人な訳が無い、死体の山を踏みしめ、血の雨の赤の色を掴みーー少年“ショウ・タチバナは一言、呟く。でもその呟きは誰も聞いている者はいない、老若男女、ショウが殺戮したのだから。それでも構わない、紅い月に手を伸ばした。
「俺は....化け物、契約者だ」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます