精神の生存本能 ~こころのしくみ、こどものしくみ、いじめのしくみ~

武宮 史樹

第1話 はじめに。 ~私たちは138億年も調教されている~ 

 私たちが宇宙誕生から138億年間ずっと、「生き残れ」というたった一つの命令によって調教されているというのは、前作で話したとおりです。

 調教された「歪み」が、私たちの生存本能となって、私たちの行動や思考に影響を及ぼしているのです。

 前作「国家の法則」では、集団としての歪みである「集団の生存本能」について話しました。

 なので、今回は「精神の生存本能」について話したいと思います。


 138億年も「生き残れ!」という命令のもと調教されてきた私たちの精神は、どう歪んでいるのか?

 具体的には、「精神」は何をすると死ぬと思っているのか? という話になります。


 それは人の心の不思議であり、私たちが「愛」と呼んでいるものの一部であり、私たち一人一人の「精神」が持っている現在の「世界の姿」の話でもあります。

 そして、なぜ人は「意味なく人を殺せるのか?」という凶悪犯罪者の心の中身の話でもあり、いじめの加害者の心の中身の話でもあります。

 純粋で残酷な子供の心の中身の話でもあります。


 ここまで書いておいてなんですが、ここからの話はすべて、「国家の法則」の中身を、人の心の中に当てはめれば分かるものになっていますので、読まずに自分で考えてみるというのも、方法としてアリです。


(「生き残れ」という調教は、宇宙の誕生からずっと続いていますので、本作では宇宙の年齢と同じ138億年間も調教されているということになっています。 これは「生き残れ」という命令が、人類だけでなくすべての存在に与えられているから、という意味でもあり、人類が絶滅しても、この調教は続くという意味でもあります)



 ちなみに、「国家の法則」は世界中の国々を「集団の生存本能」で読み解くと、このように見えますよという複数の例を載せた「考え方のガイドブック」でした。

 ですので、各国についての話はあくまで例であり、絶対的な正解ではありません。

 読者それぞれが、「集団の生存本能」というツールで世界各国を読み解いたものが、読者それぞれの正解となります。

 そうしないと、本当の意味で「他国のことを考えて、自分なりに理解する」ということにはなりませんので。 

 そして、自分なりに分析したり、理解したりしないと、他国のことについて楽になりませんから。


 重要なのは「集団の生存本能という考え方」だけで、他は作者の個人的な妄想と考えてもらってかまいません。

 そして、読者であるあなた自身も、自分で分析して自分なりの世界各国の生存本能地図を作り上げましょう。

 そうすることで、新しい世界が頭の中に出来て、世の中の見方がちょっと変わり、楽になるはずです。

 他国の生存本能で動いている人を、勝手に自分の国の生存本能で理解しようとすると、苦しさや軋轢、憎しみしか生みませんので。  

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