第27話

【新まさおのスーパーカウンセリング】


まさおは、視覚を奪われ、不退転の決意で、カウンセリングをしていくことになる。


その新まさおのスーパーカウンセリングが以下のようなものである。



読者のみなさんも、参考にする、などという消極的な姿勢ではなく、実際にまさおになったつもりで、自らの目を、目隠し、というか、まぁ、あの、できれば、えーと、まあ、退路を断つほうがいいと思います。



なんか、特別なことをしてくれってわけじゃなくて、退路を断つっていう意味でね。



まあ、この本の続きがそうなってくると、読めなくなるかもですが、正直、こんな本、読む必要ある?




これを読んでた絶滅危惧種の読者が、もう本当に絶滅してしまって、今は誰も読んでいないのに、書いているのではないかという恐怖が全身を包みこんでいる作者なのであった。





さて、前置きが長くなってしまったが、以下が、ニューまさおの戦いである。




「もしもし、あの、相談したいことがありまして」

「目が痛え。目が痛えよぉ」

「あの、わたしは、会社のために働いて、働いて、働いてきたのに、突然、理不尽にも解雇されてしまったんです」

「目が痛え。俺は、もう目が見えねえんだ。そのかわり、聴覚が発達すると言われてたんだが、今は、まだそんな時期じゃねえ。とにかく目が痛えんだ。お前は仕事をなくしたかもしれねえが、俺は、目が見えねえんだ。だから、このテレアポや、電話でのカウンセリングをするか、あるいは、目が見えなくてもできる仕事で、按摩さんになるとか、そんなことばかり考えてるんだ」




その時、電話は切られた。




そりゃ、そうである。




相談をしたくて電話をしているのに。相談をされているわけなのだから。




そして、読者のみなさんの予想どおり、このあと、まさおは、按摩さんになる可能性についての不用意な発言により、ジジイに両手の指をつぶされるのであった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る