第25話

【ジジイの見本その3】



ジジイの見本その3である。


これを読んでる読者の中で、この段階で、もう営業マンはいなくなってしまってるのではないかと、不安もあるが、そこは作者の強すぎるメンタルを持ってして、補っていくつもりである。


作者の鋼のメンタルについては、拙著“中高帰宅部だった男がプロボクサーを目指す奇跡の軌跡”を読んでほしい。


ちくま書房から出版されてないので注意をしてもらいたい。



ちくま書房に関しては、僕の著書を全く出版していないので、注意してもらいたい。




出版してくれると、ちくま書房側が言ってきた場合は、“ちくま書房”から“ちくま書房さん”になること受けあいである。




受けあいという日本語の使い方が、多分間違えていること受けあいである。



とにもかくにも、ジジイの見本その3である。読者は、必ず、電話を受けている気持ちになって、読んでほしいと、僕とちくま書房は思っているのである。




「もしもし、こちら、エヌチーチー相談センターです」

「あの、すいません。ちょっと、聞いてほしいんですが」

「はい?どのようなことでもどうぞ」

「あの、僕ね、誤解されてて、すごくつらいんですよ」

「誤解されるってのは、つらいですよねえ」



↑オウム返しすることによって、安心感を与える(^_^)




「あの、僕、高校生で、クラブ活動をしてるんですけど、そのクラブがね、みんな野球部だと思ってるんですけどね。野球部じゃないんですよ」

「へえ、野球部とみんなが思ってる?」

「そうなんです。野球部じゃないんですよ。“坊主部”なんですよ」




↑なにゆーとんねん、こいつ(≧∇≦)



「でも、周りは、野球部と思ってる?」

「そうなんですよ。もともと、坊主部ってのは、坊主が集まって、何か好きなことをするっていうだけのクラブ活動なんです。ややこしいのが、たまたま、坊主部のみんな、野球が好きやったから、野球してるんですよ。坊主が野球してたら、野球部と思いますよねえ。でも坊主部なんです」



マジでなにゆーてんねん、こいつ。殺すしかない。でも、救ってしまうのがカウンセラー(^_^)



「マジでなにゆーてんねん、お前。殺すしかないところやけど、救ってしまうなあ」




言っちゃう(^_^)




「いや、でも、坊主部なんですよ。ややこしいのは、ややこしいんですよ。でも、本来は、坊主が集まって、好きなことをするっていう部活なので、野球部ちゃうんすよ」

「なるほど、わかるよ、わかるよ」




共感してあげる(^_^)




「でも、坊主が集まって野球してたら、野球部だと思うっていうのが、普通だという感覚もわかります。でね、僕がやばいと思ってるのは、坊主部の一年の中にも、野球部やと思ってる奴がいるんです。どうしたらいいんでしょう」

「言ったら、どうなん?野球部ちゃうで、坊主部やでって」

「言ったら辞めるんですよ。なんじゃ、そりゃってなって」



そりゃ、なるわい(*`へ´*)



「ていうか、野球部はないの?」

「ないですよ!うちの学校には、野球部はなくて、坊主部しかないんですよ!あったら、野球部入りますよ!僕だって!」



ほな、野球部でええやんけ(*`へ´*)

なんでこんなテンションやねん。こんな奴、殺すしかない。

でも、救うのがカウンセラーなのさ(^_^)




「えーと、とにかく整理させてもらうと、坊主部やけど、野球部やと思われてるんやね。それがつらいと」

「そうです。野球部があったらいいのに」

「それが、一番なにゆーてるのかわからんねんけど、野球部に入りたい気持ちあるんやね」

「ありますよ!坊主部しかないんですもん」

「でも、野球部に入りたいって気持ちがあるってことは、君の中で、野球部のほうが坊主部より、イメージ上じゃないの?ほな野球部やと思われてもええやん。なんなら、そのほうがええやん」

「や、や、め、ろ」




核心を突かれすぎてる(^_^)



「いや、でも、そうやん。野球部のほうが入りたいって気持ちがあるんやろ?で、坊主部が野球部やと思われてるんやろ?しかも、一年のやつは野球部やと思ってるやつもおるんやろ?ほなもう野球部やん」

「や、や、め、ろ。や、や・・・やめてくれ・・」

「いや、やめへんよ。つらいかもしれへんけど必要なことやからさ」

「お、お!俺はなーっ!坊主部のために、みんなが野球してるのに、坊主部の本来の趣旨!坊主が集まって、何かするクラブ活動ってのをみんなに再認識させるために、一人だけサッカーボールでリフティングしたりしてるねんぞーっ!こ、こ、こんな気持ち、お前に!わかるかーっ!坊主部のために!坊主部のためにーっ!あはーはーん!そしたら、お、俺が!この俺がいじめられたんだ!サッカーしてんじゃねえって!坊主部のために尽くしているこの俺がーっ!あはーはーん!」





泣き崩れた。こういう時は泣きやむまで話しかけない(^_^)




30分後、少年は落ち着いてきた。



「う、う、う、すいません」

「いやいや、かまへんよ。も、もう、わかったね?現実がみえてきたね?」

「はい。僕がいるのは、野球部です。坊主部なんか、ありません。野球部がなくて坊主部がある高校なんて、あるわけがないんです。僕は、練習についていけなくて、サボったり、サッカーのほうが好きやって発言をした時に、り、リンチをされて、それで、変な妄想が出来上がってしまっていたんですよ」

「そうやな。君がやるべきことは、なんやと思う?」





↑常に自分から答えを出させる(^_^)



「はい!僕がやるべきことは、マンガ部を作ることです」






なんでやねん(≧∇≦)





でも、本人が言うんやから、やればいいだけ(^_^)



今回もジジイは救ってしまったのさ。



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