第9話
【ジジイの課題その3後編】
ガックリ来ているまさおに、ジジイは言った。
「大丈夫や。今回は、荷電するリストの客が、もともとエロいやつばっかりやとわかってるんや。大量にAVを借りる奴をレンタルビデオ店と結託して手に入れたリストや。だから、もともとダッチワイフに興味あるからな。教えたことを活かして、かけたらイチコロや!商品がええしな!値段は185000円や」
まさおは、開き直り、また頭の中で作戦を立てた。
小さなイエスを積み重ねること。
相手に選ばせること。
よし、あと、会社の名前はエヌチッチコーポレーションやけど、微妙に発音して、エヌチーチーコーポレーションと言うんやっけな。
まさおの三戦目の戦いの様子が下記である。
読者のみなさんも、自分ならどうセールスするか、考えながら、是非読んでほしい。
「もしもし、エヌチーチーコーポレーションの吉永と申します。おエロがしいところ、申し訳ございません」
「はい?えー、なんでしょうか?」
「実は、この度ですね、快適ソファーの件で、まずはお電話でのご案内をさせてもらってまして」
「ソファー?はあー、うち、ソファーちょっと、ボロボロになってきたんで、関心はあるけどね〜」
「あ、ちょうど良かったです。ソファーなんて、なんでも同じ、なんておっしゃる方も、がん患者の方を中心にいらっしゃるのですが、ご主人様はソファーについてどう思われますか?」
↑ソファーなんてなんでもいいと答えると、ガンかもしれないという恐怖から、イエスと答えさせるテクニック(^_^)
「いやー、やっぱり、家族のだんらんの中心になる家具やからね。なんやったらソファー決めてから、部屋のインテリアの色とかテイストとか、全て決めるのがええよね」
「お客様のおっしゃる通りです!今回の商品は、ソファーの真ん中に文房具を入れる便利なスペースもありまして、機能的にも充実しております」
「へえ、でも、実際に、物を見てからでないと、ねぇ」
「一応、後ほど、パンフレットをお届けいたしますのでそちらでも目で見て確認していただけるようになっております」
「値段は?」
「えー、185000円です」
「うーん、まあちょっと値段的にねえ」
「えー、今回ソファーだけではなくてですね、オプションがたくさんついてくるので、そちらで、今回のソファーの、正体を想像していただけるかと思います」
↑想像させることで、性欲をかきたてる作戦(^_^)
「なに?オプションって?」
「えー、今回ですね、ティッシュを、肌ざわりの良い、肌ざわりのそれはそれは良い、お客様の、たーいせつなモノを拭くのに肌ざわりが良くて良くて、はぁ、はぁ、肌ざわりが良くてたまらな〜いティッシュを一年分おつけしております」
↑官能的(^_^)
「ティッシュ一年分。それだけ?」
↑こいつ絶対S(^_^)
「それだけじゃありません、はぁはぁ、今回、ティッシュだけではなく、ティッシュだけではなく、はあ、はあ、アダルトビデオもぉ、ああっ!おつけしてーっ!」
「はあっ、はあっ!もう、俺、ズボンをずりおろしちゃってるよ!はあっはあっ!ティッシュとーっ!?アダルトビデオとーっ!?」
↑当たりの客GET(^_^)
「ティッシュとぉーっ!アダルトビデオとーっ!ローションをおつけしますーっ!」
「か、か、かっ!買いそう!買いそうだよおっ!もうすぐ!もうすぐ買いそう!ねえ?買ってもいい?買ってもいい?いっしょに買おう?」
「はあっ!売りそう、売りそう!売るよ!いっしょに売ろう!売ろう!売るよ!う!う!売るーっ!」
「はあっ!か、か、買うーっ!」
↑交渉成立(^_^)
「はあっ!はあっ!ありがとうございます。はあっ!はあっ!う、売れたあ。はあ、良かったです」
「いやあ、まあ、ちょっと考えるわ。ほ、ほな。ちょっと切るわ」
↑イッた途端急に冷たくなるパターン(≧∇≦)
まさおは愕然とした。
いっしょにイッた仲なのに!
その時、ジジイが頭上に浮かんでいることに気づきもしなかった。
ガシャーンと三台目のパソコンが壊れる音がして、ジジイは馬乗りになりながら、殴りに殴った。
「誰がテレホンセックスしろって言った!このロクデナシがぁっ!」
「痛い!痛い!やめろ!ジジイ!イッた途端に向こうが冷たくなったんじゃい!!」
さて、読者のみなさん、まさおは一体、どこがいけなかったのかな?
読者のみなさんは、まさおのようなコミュニケーションをとってないかな?
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