第85.5話 ー20
文化祭企画申請書
萌葱高校生徒会会長
下記の通り企画を申請いたしますので、承認をお願いいたします。
団体名
QK部
代表者氏名
2年5組 宝崎伊緒菜
企画タイトル
プライム・シスター
企画内容(具体的に記入すること)
企画参加者の間で「姉妹」を作るマッチングサービスです。
ここでの「姉妹」とは、互助関係にあり、親しい女性同士を呼ぶ通称として用いています。主に上級生と下級生の間の関係であり、両者が親密になることで学園生活を規律正しく円滑に送ることを目的とします。
本校において、私達生徒の交友関係は、主に学級と部活内に限定されます。本企画ではこのような現状を打破し、より広い交友関係を築くことを目指します。それにより、下級生は学園生活での悩みなどを上級生に相談でき、上級生は下級生に指導することで友人間では得られない経験を積むことができます。
具体的な方法は下記の通り。
①参加者に、1~13の番号が書かれたバッジを渡し、文化祭を散策していただく。
②参加者同士が出会ったら、互いの番号を確認する。
③姉‐妹の順に番号を並べ、それが素数になったら、姉妹成立となる。
④成立した者は再び企画部屋に来ていただき、バッジの回収と記念撮影を行う。
例)姉希望者の番号が12、妹希望者の番号が7の場合、並べると127となる。これは素数であるので、姉妹成立となる。
必要な道具
バッジ(紙製)、内装用の飾りつけ、写真撮影の背景用衝立
津々実「随分と堅苦しい文章になりましたね」
伊緒菜「不純異性交遊だのなんだのと思われないように注意したら、こうなったわ」
慧「それにしても、恋人マッチングから始まった企画とは思えませんね」
みぞれ「わたし、姉妹の目的なんて、考えてなかったんですけど……」
伊緒菜「こういうのはとにかく、何かメリットがあると思わせなきゃダメなのよ」
みぞれ「文化祭の企画なのに?」
伊緒菜「ええ、文化祭の企画だろうと。うちの高校でこういう企画やるのは、たぶん初めてだからね。生徒会がどんな反応するか予想がつかないから、念には念を入れておいたのよ。じゃ、出してくるわね」
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