探偵が主人公と聞くと、マンガのような天才的な個性や能力を持つ人だとイメージしがちです。今作の探偵・葉山は、現実味のある探偵。だからこそ、葉山のひらめき、コミュニケーション力、地道な努力が光っています。それは、探偵だけでなく、働くこと全般に必要なチカラだと感じさせられました。
『探偵』って聞くと何か空想上の創造物のように思えてしまうが、それは小説などで探偵が創造されているから。本作では本物の探偵の考え方や視点が、あたかも読者が探偵『葉山』になった気分で読み進めることができます。探偵が普段目にする裏の人間関係とは。是非ともご一読を。
フィクションの刑事ドラマではなく、現職の探偵さんの事件簿という、究極の<お仕事小説>登場。実話に基づいているそうでが、人を見る眼差しのあたたかさに感動しました。依頼者の家には作業服で伺う意味とか、自転車の尾行には車が使えないのでひたすら走る(笑)とか、探偵業の実際がとても面白い。どこからか「太陽にほえろ!」の挿入歌が聞こえてくるようです。