晩餐には、花梨も出て来た。

「わたしはねぇ、若いワインが好きなんだ。」

「古い方が味わい深いんじゃないですか？」

「それが普通の考え方だ。しかし、わたしは若い娘が好きなんだ。ワインと同じで熟成させない。」

「…。」

「高木さんは、どうなんだ？」

「ワインは普段から飲みませんけど熟成した方が味わい深いと思っています。」

「それは高木美羽、つまり君の奥さんの事を言ってるんだね。」

「マリエの気持ちはどうなる？仕事内容も知っていて賢い。そして高木隼人、君が好きなんだ。」

「僕には妻がいます。」

「つまらない返答だな実につまらない。」

「業務命令だ。マリエを抱くんだ。そうすれば君の薬も減るはずだ。そうじゃないと骨がスカスカになって死ぬ事になる。」

安定剤がないと困る、否定出来ない…。

ただマリエとそういう関係になってどうなるだろうか？

「マリエには伝えてある。薬の量も減らすようにと。マリエは、君を薬漬けにしたが今度は君を救う天使だ。」

黒沢は、肉を食べながら笑った。

隼人が夜遅くにアパートに帰ると美羽も美生も寝ていた。

気だるい…。

水を飲んで気持ちを落ち着かせた。

自分は、何なのか？コンビニ店長であり…。

誰に相談すべきか…。

やはり、マリエに話すしかないのか？

隼人は、現実から非現実に逃避する。

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