かなり独特な雰囲気を醸し出している本作。誰しもの心の中にある心象が具現化する病。設定だけで見ると似たような話はいくつかありますが、それを楽園と名付けるセンスにやられました。最後には依頼にまつわるどんでん返しもあり、最後まで楽しく読めました!
心理的な闇が繭になるという、ファンタジー的な世界観を現代社会に持ち込んだ短編(中編)小説。心象風景を具体化する描写が、すばらしい。悪い夢の中に飛び込んだような感じで、読んでいてぞわぞわしました。ミステリーとしての面白さもあるので、エンタメとしても面白いです。