第17話
騒ぎをおさめてから、場所を食堂の廊下から、龍夜の仮眠室へと移る。右京は、迷涼を呼びに行った。
ソファーでふんぞり返って座りコチラを凄い鋭い目付きで、睨む龍夜。
そんな彼が怖くて、二人は思わず床に正座をする。
そこに。。。
「千代ちゃん!!」
「すずっ!」
地獄にホトケとは、まさにこのことだろう。。。
「あ、アレ?なんで七倉教授がいるの?」
頭が混乱状態の、迷涼。
「まず、二人はどーいう関係なのかな?」
さり気なく、迷涼の肩を抱いて話しを進める右京。
七倉と、千代はお互いに指をさす。
「元カノ」
「元カレ」
この事実に、右京はある事を思い出す。
「あーっ!!!この子、昔良く通ってた飯屋の看板娘!!」
「ども、ご無沙汰してます」
軽く頭をさげる千代。
「でも、あそこ潰れたよね」
サラリと、右京は毒を吐くのが上手い。
このドロドロな、展開に頭を抱える龍夜。
「あーっ…神聖なる仮眠室にこんな問題、持ち込みたくなかったですよ!」
「だったら、最初からココに連れてくんなよ…ハゲ」
ボソッと、呟く七倉の言葉はちゃんと地獄耳の龍夜には、届いていて黙って立ち上がり、正座をしている彼の足をこれでもかという程、踏みつけた。
そして、仮眠室の出入口を開けて胸を張ってこう言った。
「出ていきたかったら、出ていけ!!今すぐ!」
「ひ、卑怯だぞ…てンめぇ~」
もはや、彼の足に感覚というモノは存在しなかった。まるで、ミミズがのたうち回るように動く七倉と、流石に足が痺れた千代。
まるで、二匹のミミズ。。。
「でも、七倉教授のことなんて一回も話してくれたことなかったじゃない」
迷涼が、右京の腕を振り払い千代に駆け寄る。
「言ってなかったっけ?まぁ、すずと同居する前だったから」
「あ!もしかして、あのプリン勝手に食べられて、キレてコンビニに、新しく買いに行かせたけどプリンじゃなくてシュークリーム買ってきて、別れた人???」
「あッッッッッッッッッ!思い出した!そうだ!それで、別れたんだ!!」
なんで、本人たちは別れた理由忘れていて、友達が覚えているのだろうか。。。
「くだらなッッッッッッッッ!あはははは!ヤバッ、お腹痛い!!」
バカ笑いしているのは、右京だ。
「右京、そ、そう…わら、笑っては…失礼…ですょ…ぷふ」
「龍夜!!てめぇも、笑ってんじゃねぇか!!」
未だに、足が痺れて動けない七倉を嘲笑う龍夜。
「覚えてろよ…こんにゃろー」
七倉は、足の痺れに誓った。
いつか、龍夜をこの手で困らせてやろうと。。。
彼の野望は、何気にチャッチーのだった。
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