空に浮かぶ

 僕は真夏の空に浮かんでる

 僕は真昼の空に浮かんでる

 まだ何も知らない産まれたばかりの


 ずっとずっと遠い高さから

 みんなをみんなを眺めているよ

 山の緑がとてもまぶしいよ

 海の青さがとてもまぶしいよ


 少しばかりの風を引き連れて

 流れの高い方から低い方へと

 軽い僕はただ流れていくだけさ

 雨に還るにはまだ程遠いよ


 大きな大きな流れに沿って僕は見聞を広げていくよ

 この広い世界の理をはるか上空から学んでいくよ

 みんなが見上げるその高さから

 みんなが憧れるこの高さから


 さえぎるもののない空の道

 本当はもっと自由に泳ぎたいよ

 だけども僕はただ軽いだけ

 風の流れに従うだけさ


 いつの間にやら身体も大きくなっちゃって

 もうそろそろ還る準備もしなくちゃね

 天空の瞳ももう僕の動きを見張ってる

 人々はちゃんとカサの準備忘れていないかな


 まだまだ僕は大きくなるよ

 空を灰色に埋め尽くしていくよ

 湿り気を世界に満たしていくよ

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