夢遊病

 何の音もしない

 星も見えない

 こんな夜


 そっと街を抜け出して

 地図にない道を行く


 暗い暗い道を

 街灯のない道を

 

 アスファルトたちに別れを告げて

 獣たちの住む場所へ

 野性の残る森の奥へ


 フクロウの独り言が木霊する

 小さな足音 木の葉の寝息とハミングしてる

 どこまでもどこまでも薄暗く続く


 月の光が選んだそこは清浄な霊気に満たされ

 静かに波紋が反射する湖

 心の中の風景が当たり前に目の前に広がっている


 体の中の機械は今宵も正確に動いてる

 感情に左右されたりせず

 ストレスに支配されたりせず

 こんな月夜に こんなに心がざわざわしても


 ぷかぷか水に浮いている

 魔法の力が満ちている

 ふくろうが歌ってる


 不思議と頭はスッキリしてる

 身体中を不思議な何かが駆け巡っていく

 そして全身から力がすうっと抜けていく


 さあ 今から君に会いに行くよ

 今すぐ君に会いに行くよ

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