新緑の道

 あれほど華やかだった桜はもうとっくに散って

 思い出せば華々しくもいつも通りの花吹雪

 それはまるで夢のような季節の幻惑


 今じゃすっかり緑で武装して

 日の光を目一杯受け止めて

 やっぱりこの景色にしっかり馴染んでる


 見渡さなくてもはっきり目に入る 緑 緑 緑

 空の青もやがてすっかり濃くなって

 呼吸する葉っぱたち 澄んだ空気の山の道


 まるで前途洋々の若者のよう

 まるで無邪気な盛りの子供たちのよう

 瑞々しく葉っぱを風になびかせて


 再生されていく世界

 どうしてこう世界は完成されているんだろう

 全て整った循環の中で

 誰もがその役割を忠実にこなしてる


 野生動物と言えば野鳥くらいしか目にしないけれど

 でもこの山の奥にはきっと昔からの住人がいるはずで

 うん 居て欲しいし 居なくちゃダメだよね


 力強い緑のチカラ 見る見る山の姿を変えていく

 これからどんどん日差しは強くなっていく

 僕らはただ汗をかくだけの機械になる

 風は変わらずに葉っぱたちと戯れている

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