見えない何か

 ひとしきり降った雨がやんで散り散りに千切れていく空

 もう大丈夫かなと見上げた空に七色の橋が架かる

 この世界には何の心配もいらないよって言われたような


 見つからない何かをずっとずっと探してる

 光の舟はやがてあの山の向こうへと消える

 まだ見た事のない風景ならば全ての答えが眠っているのかと思う


 その全ての幻想をいつも夜の夢の中に閉じ込めて

 明日見上げる空もいつもの見慣れた透き通る青

 どこまでも続く青に封じ込められたちっぽけな生命たち


 鯉が口をパクパク開けて池の中で気ままに泳いでる

 彼らの中ではその中こそが世界の全てで

 ぼくらの世界の全てはこの惑星の上ばかりで


 憐れな目で見ているのだろうか

 その更に上から見下ろしているだろう誰かは

 鯉の知らない世界を知っている人のその上の存在は


 月明かりの下でとても不思議な気分でいる

 砂時計がこぼれるように静かな時間が

 淡い白い雰囲気 世界に魔法が満ちていく


 感じ取れないほどの微量な何かがきっとこの世界には満ちている

 訳もなく不安になったり不思議と勇気がわいたりするのは

 きっとその見えない何かに突き動かされているからなのだろう


 蛍光灯の下で舞い踊る小さな埃たち

 どこからかやって来てやがて静かに降り積もる

 それはハウスダストだからこまめに掃除をしなくちゃね

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