第4話 二時間目を待ちながら(4)
ある日。二時間目を待ちながら。
夏海が心春の所にやってきました。
「なぁ、心春。数学の宿題やってきた?」
「うん、大変だった。全然分かんないだもん!」
「せやな、難しいな数学は。XとYってなんやねん! って感じやわ」
「そうそう、XとYって誰ですか!? って感じだもんね」
「いや、人間とちゃうよ。数字や。まさかとは思うけど、宿題の答えにX=田中さん。Y=伊藤さん。とか書いてきたんとちゃうやろな?」
「違うよ、夏っちゃん。XとYはイニシャルだよ。X=エクストマンでY=、ええと、イェールヤパーラー、だよ」
「それこそ誰やねん! そもそも、もう名前と違うっぽいやん! 答え解いたのに、余計に『これ誰!?』って疑問が沸くわ!」
「えへへ、実は、答えはちゃんと数字で書いてきたよ」
「そりゃ、そうやろう。でも数字で言うたらゼロ(0)が分からんな。どんなに大きい数 字でも、ゼロを掛けたら答えがゼロやもんな」
「うん、ゼロってすごいよね。もうマジックだよね」
「いや、まぁ、それは言い方やろうけど」
「私の中では、すごい=マジックなんだぁ」
「そうなん? うちはすごい言うたら、なんやろう? すごい=うち、なんて言うてみたり、 あははー」
「あはははははっ♪ 夏っちゃん、面白い!」
「笑いすぎやろ!」
二時間目開始のチャイムが鳴りました。
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