喧嘩上等!!あ、でも怪我しない程度でね!
usotukinahito
第3話・初めての委員会
入学式の次の日。初めての新しいクラスに仲間達とワイワイと騒いでいる生徒達。中には、友人と同じクラスだった事への喜びを抱き合ったり、ハイタッチをしながら表現する者もちらほらと存在する。そんな中静かに読書や、勉強に励む者もいた事も事実だ。
そして、入学式当日でいつの間にかスクールカースト上位になってしまった少女もその一人である。
クラスの男女問わず彼女の行動に目を向けるが、話し掛けようとはしなかった。
その視線の当事者である彼女といえば、窓際の近くで本を
読みつつ ひっそりとした様子で席に座っている。
クラスの皆は、口には出さないが優美に本をめくる彼女に
目が釘付けだった。
そんな朝の賑やかな時間が過ぎ、ホームルームの時間となった。
(主人公side)
今日は、入学式の次の日!楽しみにしていたクラスメイト達の名前は全部覚えたしこれでバッチリ!…だよね?
それにしても、クラスの子達が殆ど知り合いとは思っていたけど、ここまでとは…。
話しかけづらい…。うーむ。どうしたものか…。と思案するがあまり良い案が浮かばない。しょうがない。
本でも読んで忘れよう! いざ、現実逃避!!
等と勝手に意気込む私。 しばらくすると皆の話し声がピタリと止まったので、教卓の方に目を向けると…。
「やぁ!皆!元気にやってるかい!」
…………。ん?もしかして…。と思っていると予定通りの答えが生徒達から返ってきた。
「先生!いつもそれしか言ってない~」と皆からの指摘に
「ハッハッハ~!済まないなぁ…。先生は堅苦しいのが苦手なんだよ~」
と気持ちのいい位の笑顔で返答する先生。
ウ~ン。心が広いんだな~。と思いつつ話を聞く。
「あ、昨日は用事でいられなかったが…。ゴホン 俺が、この1-Bの担任 後藤だ!よろしくな!」
と嬉しそうに自己紹介する先生に対して皆の反応は……
「入学式に来てないって…。ハァー」(皆)
何だか呆れている様にも見えるのだが気のせいだろうか?
そんな元気の良い先生に、失礼ながら親近感を感じてしまった私…。どうしてだろうか?
それにしても、昨日感じた美男・美女と負けず劣らず
イケメンだなぁ…。と勝手に思っていた私。
そんなふうに、賑やかにホームルームが終了し、
次は、学園生活初の授業だ。
「んじゃ、次は係決めと委員会決めするからヨロシクな!」
と颯爽と教室を去ってしまった先生。
クラスは、ドッと声が溢れかえる。
「それにしても、先生…顔は良いのに服装がねぇー」
や、「絶対あの顔は寝坊したな!」と元気な声が聞こえて来る。
さて、どうしたものか…。係って言っても…。
いや、一番の問題は委員会だ。何に入りたいなんて
考えてもいなかった。…。そもそも、私みたいな奴でも出来る委員会なんてあるのだろうかと どんどん不安になっていく。 考えるから、時間よ止まって!と念じてみたが…
そんな願い通じる訳もなく、虚しくチャイムが鳴り響く。
キンコンカンコン キンコンカンコン
…。ですよね…。
「オーイ!皆席に着いたかー?」と教室をグルリと見渡して確認する先生。
「あ、そういえば出席取ってなかったな!」
「いや~、すまん、すまん」と頭をかく。
完全に生徒達がジト目になるのを感じる私。
あぁ~だから私の名前を間違われる事が今日は起きていないのか…。と納得する。
まぁ、忘れることは人間誰しもあるって事だ!と目を泳がせながら言っていた。
例によって、名前は見事 読み間違えられました!
もう、自慢する項目の一つに入りそうだ!
係決めは順調に進み、私はめでたく 生き物係!
動物大好き! 楽しみで仕方ない!
で、お次は問題の委員会決め……
「では、次~。委員会やってくれる人ー」
「はい!俺 生徒会希望シマース!」アハハと笑いがあがるクラス内。
どうやら、先生の話によると委員会に入るのは自由らしい。じゃあ、無理に入る必要もないと安堵する私。
「ええっと、じゃあ最後、風紀委員会な!誰かやってくれる奴はいないかー?」
ウ~ン。とクラスの半数から声があがり始める。
「じゃあ、そうだな…。おい!赤木 お前やってみないか?」
………。はい!?今 先生は何とおっしゃっただろうか?
ミズキ オマエヤッテミナイカ?…。何を?あ、風紀委員会か…。と訳の分からない自問自答をし始めた私。
そんなこと言われるなんてこれっぽっちも考えていなかった。ど、どうしよう。と返答に困っている私の様子に気付いた先生は、「あ、一応考えてみてくれ!」
と言われてしまった…。ぇぇ………
そのうえ、「まぁ、どんな委員会か見とくのもアリだな!」
と嬉しそうに微笑む。
こうして、私は風紀委員会に入る事になりそうです…。
な、何故……
喧嘩上等!!あ、でも怪我しない程度でね! usotukinahito @usotukinahito
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