第11話vier 4

「意味わかんないなら、理解しようとしなくていいから!もう黙って充電しててよ!」



「わかりました」



やっぱり鉄屑なんかにこの微妙な感情なんて理解出来ないよね。




「今日のママはやっぱり機嫌が良いです。口調がいつもよりヒステリックじゃありません」




うぜーーーといつもならイライラする所だけど、今日は特に気にもならない。


何か一つでも自分にとって良い事があると、ちょっとした事でカリカリしないのかもね。



今日もまた佳佑を避けちゃったなー。


バイトの帰り道。

下を向きながら黙々と自宅まで歩く。


何か話しかけられそうになった気がする。

だけど、回りに人がいたから逃げちゃった。

私なんかと喋ってる所を見られたら、佳佑君の立ち位置が微妙になっちゃうかも知れないし、変な目で見られるかも知れない。



もしかしたら佳佑君は、そんな他人の目を気にしないで本当に私と仲良くなりたいんだったりして?



あーーーーー!!!

バカみたい。

そんな都合が良い話なんてないよね。



あれこれ考えてたら、自然と顔がニヤけてきた。

良かった!マスクしてて。

知らない人が見たら、ただの変質者に間違われちゃう。

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