第18話 ガブリエ登場
「あっ、どもっ、ロウです。今教会に来てま〜す。なかなかガブリエって人に会えないね〜、今日教会に来なかったらマジしんどいよ〜、君も来てくれるよう祈ってみて、きっと祈りが通じれば来てくれるはずだからさ〜、でもね、本当はそんな事どうでもいいからセナちゃんといちゃいちゃしたいんだよね〜、でもセナちゃんそんな雰囲気全然出してくれなくてさ〜、真面目モード全開でさ〜、まっ、この先セナちゃんと僕がどうなるか、君が暇なら楽しんで見ててよ、絶対セナちゃんの事落としてみせるからさ〜、あっ、今思い出した、僕、セナちゃんに誘拐されてたんだ… まっ、僕は貴族だからそんな事気にしないけどね〜、あっ、誰か教会に入って来た、僕の暇つぶしに付き合ってくれてありがとう、君も誰かといちゃいちゃしてた方がいいよ、じゃ、またね〜。
「ガチャ」
誰かが教会に入って来た音が聞こえて来た。
ロウが後ろを振り返ると、おじいさんが歩いて来た。
「あの人よ」
セナが小声で言った。
「君の祈りが通じたね」
ロウは小声で君に向かって話しした。
「えっ?今なんて言った?」
セナが聞いてきた。
「えっ、なんでもないよ、こっちの話」
ロウはそう言い少し慌てた。
それからおじいさんは、神父さんの所へ行き何か話しをしていた…暫くするとおじいさんは教会の席に1人座った。
「今よ、ロウ話しかけて来て、私はここで聞いてるわ」
セナはそう小声でロウに話しかけた。
「うん、分かった、行ってくるね」
ロウはそう言うとおじいさんの所へ行き、おじいさんの隣に座った。
「あの〜、ガブリエさんですか?」
ロウは知っていたが、そう話しかけた。
「ん?君は誰かね?」
ガブリエはロウの顔を見てそう質問してきた。
「あっ、あの…ぼ、僕ガブリエさんに憧れてまして…」
ロウは言葉に詰まりながらそう答えた。
「ほう、それはどうしてじゃ?どうしてワシなどに憧れる?」
ガブリエはまた質問してきた。
「あっ、あの僕も有名人になりたいなぁって思ってまして」
ロウはそう答えた。
「ほう、有名人になってどうするのじゃ?」
ガブリエはまた質問してきた。
「えっ、え〜と、有名人になって歴史に自分の名前を刻めたらな〜って思ってまして。
ロウはそう答えた。
「ほう、じゃあ、歴史に名前を刻んでどうするのじゃ?」
ガブリエはまた質問してきた。
「えっ?歴史に名前を刻んでどうする?すいません、意味が分かりません」
ロウはそう答えた。
「じゃあ、君は100万年前の人物を誰か知っておるかね?」
おじいさんはそう尋ねてきた。
「えっ、100万年前の人物?し、知りません」
ロウはそう答えた。
(100万年前に人物なんていたのか?)
「ほっほっほっ、じゃあ、もう一度ど聞くが、100万年前の人が名前を残してないのに、100万年後に君の名前が残ると思うかね?」
ガブリエはそう質問してきた。
「残らないと思います」
ロウは素直に答えた。
「じゃあ、君の歴史に名前刻むと言う動機は無意味じゃな」
ガブリエはロウにそう言った。
ロウはちょっとショックを受けた、が、直ぐに質問しなきゃいけない事を思い出した。
「あの〜、ガブリエさんは何で北地区に来てるんですか?」
ロウはそう尋ねた。
「ほっほっほっ、それをわしが君に答えてどうするのじゃ?」
ガブリエはまた質問してきた。
「えっ?あ、あの〜、気になったので…」
ロウは言葉に詰まりながらそう答えた。
「何で気になったのじゃ?」
ガブリエはまた質問してきた。
「えっ?何で気になった?え、え〜っと、あっ、ガブリエさんは王族関係者なのに北地区に来てるので気になりました」
ロウはそう答えた。
「王族関係者だと北地区に来ては行けないのかの?」
ガブリエはまた質問してきた。
「いっ、いやっ、王族関係者は中央地区側の人達だと聞いていたので…」
ロウはそう答えた。
「誰がそんな事を決めたのじゃ?」
ガブリエはまた質問してきた。
ロウはうんざりして来た…でも真相を聞きたいので我慢した。
「誰が決めたか分かりませんが世間ではそう言ってました」
ロウはそう答えた。
「ほう、君は世間が言う事を信じるのかね?」
ガブリエはまた質問して来た。
「えっ?あっ、はい信じます」
ロウはそう答えた。
「何故世間の言う事を信じるのじゃ?」
ガブリエはまた質問して来た。
「えっ?何で信じるか?えっ、えーっと、分かりません」
ロウは素直に答えた。
「ほっほっほっ、世間では王族関係者は中央地区側の人間だと言っているが、わしは実際君の前にいる、それが君の知りたい答えじゃよ」
ガブリエはそう言い話を続けた。
「では、わしはこれから行かなきゃ行けない所があるからこれで失礼するよ」
そう言いガブリエは立ち上がった。
「あっ、あの、ありがとうございました」
ロウはガブリエにそう言って頭を下げた。
「ほっほっほっ」
ガブリエはロウの頭を撫で教会の出口に向かって歩いた。
「そこの可愛いお嬢さん、教会を間違えておらんかの?」
ガブリエはセナにそう言って教会を出て行った。
ガブリエはすべて気づいていたのだった…
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