第16話 護衛兵の隙
「あっ、どもっ、ロウです、前回セナが突然泣き始めちゃったので途中で中断になっちゃっいました。国で1番頭がいい人ってどんな人だろね?では、続きを始めまーす」
「ガチャ」
冷静を取り戻したセナが服の中から何かを取り出した音がした。
(セナって可愛いのにいろいろ背負ってるんだ…)ロウはそう思い胸が痛くなった。
「ロウ見て」
セナは曲がり角をチラッと覗いてロウにそう言った。
「うん…」
ロウはそう言って曲がり角の先を覗いた。
「あの護衛兵の腕の所に鷹の紋章があるでしょ?」
セナも曲がり角を覗きながらそう小声で話した。
「うん」
ロウは小声でそう答えた。
「あの紋章が王族の紋章なの、あの紋章をつけてる兵は皆王族関係者の兵士なの」
セナはそう小声で説明した。
「へぇ〜、そんなこと知らなかったよ」
ロウはそう小声で答えた。
「いい?今から一緒にあそこまで歩いて行って、あの護衛兵の前に行ったらロウはコレを落として」
セナはそう小声で言い、ロウに拳銃を手渡した。
「け、拳銃⁈」
ロウは驚きそう小声で言った。
「フフッびっくりした?あの護衛兵もびっくりする筈よ、その隙に私があの護衛兵を眠らせるわ、作戦は理解した?」
セナは少し微笑みながら小声でそう言った。
「うっ、うん…分かった。僕は護衛兵の前でコレを落とせばいいんだね?」
ロウは拳銃をセナに見せ小声でそう答えた。
「うん、それだけでいいわ、じゃ、行くわよ」
セナはそう言い、ロウの背中を押しながら歩き出した。
護衛兵に近いて行く…20m…15m…10m…
ロウは緊張して手が震えてきた…
護衛兵まで5m程まで迫った時、急にセナが言った。
「中止、何もしないでそのまま通り過ぎて」
セナは小声でそうロウに言った。
ロウは驚いたがそのまま何も言わずに頷いた
。
何事も無くそのまま護衛兵の前を通り過ぎて行き護衛兵から10m程離れた時セナが言った。
「あの男ただ者じゃない… 」
セナが小声でそう言った。
「えっ?そうなの?」
ロウは小声でそう言った。
セナには何かを感じたのだろう…ロウはそう思った。そしてまた2人は曲がり角を曲がった所で歩きを止めた。
「さすが王族関係の兵ね… 」
セナがそう小声で呟いた。
「どうしたの?」
ロウは小声で質問した。
「ロウは何も気づかなかった?」
セナが小声でそう言った。
「何も気づかなかったよ」
ロウは小声でそう答えた。
「そっか…あのねロウが何かしようとしてた事、あの護衛兵は気づいてた… どこにも隙がなかったわ…もしあの時あなたが拳銃を落としてたら…2人とも危ない所だった…」
セナは小声でそう説明した。
「えっ⁈そうなんだ…」
ロウは驚きながら小声でそう言った。
「あの男がついてる限り、ガブリエに会うのは無理そうね…」
セナは小声でそう言い考え出した…
「そっか、この手があったわ」
セナは手を軽く叩いてそう言った…
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