第7話 キューイ登場
「あっ、どうも、キューイです。初めまして。今回北軍からの命令でアントレイヤを暗殺しに来ました。中央政府大嫌いな自分です。前回も中央軍の最高司令官を暗殺したんだけど、その時俺も怪我しちゃって最近まで入院してました。職場復帰したと思ったらいきなり暗殺して来いって言われました。まぁ自分は両親とも中央政府に殺されたもんだから喜んで仕事しますけどね。中央政府を潰せるなら自分なんでもやります。どんな汚れ仕事でも…ちょっと俺残酷な事するけど中央の連中以外にはしないから安心してね。あっ、仲間が来たからこれで」
「ガチャ」
剣をしまう音がした。
「団長、中央軍の様子を見てきたんですがアントレイヤの周りにはざっと200人位は護衛が付いてますよ」
大柄な男がキューイに近づき報告した。
「そうか、ご苦労」
キューイは腕を組み考え始めた。
しばらく静寂が続く…
「どうします?隙はなさそうでしたよ?」
大柄な男が聞いて来た。
「そうだな…よし…中央軍の騎馬隊の制服と馬を5人分奪って来てくれ、いいか?絶対に血を制服や馬に付けるなよ?」
キューイは男の耳の側まで行き静かにそう言った。
「あっ、はい分かりました… 血を付けずにですね…」
大柄な男は困った様子で答えた。
「頼んだ」
キューイはそう言ってまた考え込んでいた。
「じゃあ、ちょっと行って奪って来ます」
大柄な男が立ち去って行く。
「気を付けてな」
キューイは立ち去る仲間にそう声を掛けた。
大柄な男が立ち去って3時間程たった頃、女がキューイの元へやって来た。
「情報仕入れて来たわよ」
女はキューイの横に立ちそう言った。
「ありがとう。どうだった?」
キューイは笑顔でそう女に尋ねた
「アントレイヤの事を悪く言う奴はいなかったね。あいつ結構慕われてるみたいだったよ」
女はキューイにもたれかかりながら言った。
「そうか… 前回の最高司令官とは違うみたいだな…」
キューイはそう言って女にキスをした。
「今回はどんな手で殺るの?」
女はキスをしながら聞いた。
「今、考えてるところさ」
キューイは女の胸を触りながら言った。
「ゴホン」
キューイの後ろから男が咳払いをした。
!
キューイと女は驚いた。
キューイが振り向くと先刻略奪を頼んだ大柄な男が帰って来ていた。
「団長、略奪成功しました」
大柄な男は何も見なかったように報告した。
「ご苦労様」
キューイも何事もなかったかの様に振る舞った。
「みんなは何処にいる?」
キューイが大柄な男に尋ねた。
「あちらで待機してますよ」
大柄な男が指を指した先に微かに仲間達が見えた。
「よし!じゃあ、あと3名をコッチに呼んで来てくれ。あっ、後、騎馬隊の制服と馬も全部コッチに持って来てくれ。残りの者は例の場所で待機する様に言ってくれ」
キューイは大柄な男にそう命令した。
「君も例の場所で仲間と待機しててくれ」
キューイは女にそう言った。
2人は微かに見える仲間の元へ歩いて行った。
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