北の陣

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第1話 プロローグ

この世界は

何度も崩壊しそして再生を繰り返して来た。


国も文明も何もかもが必ず崩壊しそして再生する。


この物語はそんな崩壊と再生を繰り返して来た歴史の中の1つのお話である。




とある町に1人の少年が住んでいた。

その少年の名はロウ、歳は15才、この少年にはコレといった才能はないが、父親は偉大な貴族である。


と、物語に入る前に少しだけこの国の情勢について話ておこう。


この国は現在、戦乱の真っ只中である。


時は5年前、ロウが10才の頃、この国の北の地区を統括していた北方面最高司令官が謀反を起こしたのだった。

そして時を同じく、この国の南の地区を統括していた南方面最高司令官が謀反を起こした。


謀反の原因は中央地区の絶対的な権力政治による悪政にあった。



北地区や南地区の人間には一切決定権を与えられず、何もかも中央政府の言いなりであった。

敵国が攻めてくれば真っ先に壁となり、平和になればすぐに重税が積み重ねられるという繰り返しであった。

その為、戦争での死者、重税によっての餓死者が後をたたなかった。


そして遂に我慢は頂点に達し

北の地区は謀反を起こしたのだった。


北地区の謀反を知った南地区も急遽、最高幹部会を開き北地区に協力する事を全員一致で可決し謀反を起こしたのだった。


南の地区が謀反を起こしたのは、北の地区が謀反を起こして僅か5日後の出来事だった。




中央政府は当初、北と南の謀反をすぐに鎮圧出来ると高をくくっていた。

何故なら圧倒的に兵士の数が違うからだ

北の兵士数約20万、南の兵士数約20万。

そして中央の兵士数は約100万であった。


中央政府はこの圧倒的な兵力で一気に鎮圧しようと動いた。


中央軍の作戦はこうだった


まず、中央の守りに20万。

南軍に対し、20万の兵力で防衛に当たり

北軍に対し、60万の兵力で一気に捻りつぶす

北軍を潰せば南軍は降伏すると読んでいた。


そして中央政府は北に大軍勢を派遣したのだった。



そして遂に北軍と中央軍の両軍勢は対峙し戦は始まった。


北軍との戦は中央軍の予想を大きく覆したものだった。


なんと、圧倒的な兵力の差があるにもかかわらず中央軍は初戦に大敗を喫してしまったのだった。


急ぎ陣を立て直し応戦するも北の軍は戦慣れしており中央の軍は後手、後手を踏まされた。

そして遂に北の軍は中央軍を撃破したのだった。


北軍はこの戦の勝利に乗じ中央政府を潰す為

進軍を開始した。


北軍は次々と中央軍の防衛網を撃破し、中央政府のある都の目前にまで迫っていた。

窮地に立たされた中央政府は和睦を申しでるが、北軍はそれを蹴った。


北軍の今まで抑圧されたその怒りは凄まじいものであった。


北の軍の勝利はもはや目前であった。


だが、中央政府の起死回生を測った策により

北の軍は挟みうちにされ撃破されてしまうのであった。


その作戦の指揮を任されたのがロウの父アントレイヤであった。




撃破された北軍は自軍の領土に戻り守りを固めた。

一方、中央軍も守りを固める事で精一杯であった。


ロウの父アントレイヤはこの戦により一躍

時の人となり中央軍の救世主と呼ばれ、中央軍の最高司令官に大抜擢されるのであった。

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