白い部屋に閉じ込められた13人の異世界人

筆まめ猫ろんだ

白い部屋

頭痛がする。

・・・いったいここはどこだ。

あたりを見回す。

紫色の大きめなガウンを来た、女の子だろうか、壁をじっと見ている。


「・・・いったいここはどk」


「誰だテメーらは!!!」


強烈な怒声がこの中を響かせる。


大柄な、男が持っている、これまたそいつと同じくらいある大きな斧が目に留まる。


何人かは先に起き上がっているようだ。


先程の女の子も怯えて奥の方へ行ってしまった。

動揺が隠しきれないのか、その大声に涙する女性も居る。


「・・・ちょっとあんた、いきなり大声を出すなよ。」


別に勇気があるわけじゃない。

主人公って柄でもない。

ただその女性の涙に、心が傷んで、思わず声が出ただけだ。


「うるせえぞお!!!!」

大柄の男が俺めがけて横に斧を振る。


よっと、避けようとお腹を引っ込ませる形で後ろに下がったが、無理だった。間に合わない。目の前で金色の何かが横切る。


自分のお腹、切り取られた断面、サーモンピンクより少し黒い。

「脚」だけ立っている状態で自分の「腹」の中を見た。


「ちょっと太ったかな」

と言ったかどうかで、上半身は落ちていき、僕は死んだ。


残り12人



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